2024年版 レスポンスも音も「感動的」な最新スーパーカー 11選 性能とデザインで頂点を争う
公開 : 2024.05.25 18:05
2. ランボルギーニ・レヴエルト
長所:9000rpmまで回る壮大なV12エンジン、超優秀な非対称トルクベクタリング、見る者のハートを射止めるルックス
短所:ランボルギーニ特有のタイトなキャビン、重量級の車体、高価
ミウラ、カウンタック、ディアブロのラインを受け継ぐランボルギーニのフラッグシップモデルが、ついに電動化時代に突入した。ライバルがエンジンを小排気量化したりターボ化したりする中、ランボルギーニではなぜか、大排気量のV12エンジンを維持している。それもそのはず、このエンジンがなければ「ランボ」のフラッグシップたりえないからだ。
レヴエルトは3基の電気モーターと、かなり小型の駆動用リチウムイオンバッテリーを搭載し、その重量を相殺するためにこれまでで最も革新的で高剛性、軽量なカーボンファイバー・モノコックを採用している。エンジンと合わせた合計出力は1015ps/9250rpmに達する。
乾燥重量は1800kg弱で、0-100km/h加速はわずか2.5秒、最高時速は350km/hとされる。スーパーカーとしては明らかに重いが、フロントアクスルの非対称トルクベクタリング(2基のフロントモーターによる)が、ハンドリングに大きな影響を与えている。
これまでのV12ランボがそうであったように、グリップの限界に近づくにつれてコントロールを離れていき、物理的な言葉で限界点を表現する。しかし、フロントモーターがターンインとコーナリング・エイペックスで車体を安定させ、出口でもラインから外れないように仕事をする。
このような巨大なスーパーカーが、ドライバーの意図した方向にただ進みながら9000rpmを超える回転数で絶叫する光景には、深い感銘を覚える。これはエンジニアリングの偉業である。その証拠に、電子制御スタビリティをオフにすれば……あとは説明不要だろう。
弊誌はまだレヴエルトをサーキットでしか試乗できていない。しかし、公道で試乗した暁には、スーパーカーの中でも最高の部類に入ると期待している。圧倒的にドラマチックな体験と背筋が凍るような臨場感を味わえるだろう。
3. マクラーレン・アルトゥーラ
長所:この上なく軽いタッチで行われた電動化の恩恵、公道でも鮮やかに楽しませてくれる
短所:広角V6エンジンのサウンドはそれほど魅力的ではなく、ややパンチに欠ける
マクラーレンはここ数年、厳しい状況に耐えてきた。世界の多くの国が不況にあえぐ中で、フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェなどの宿敵が好調な利益を上げているのは、富裕の買い手が増えているからだ。しかし、マクラーレンはその流れを十分に生かすことができなかった。そのため、10年以上ぶりに一から設計されたアルトゥーラの成功に大きく依存している。
カーボンファイバー構造や電気アーキテクチャーなど、これまでのモデルとはほとんど何も共通化していない。そして、ツインターボの3.5L V6エンジンと電気モーターと組み合わせたPHEVとなっている。電気駆動装置は可能な限り軽量化を追求しており、モーターとバッテリーの重量はわずか130kg。また、30kmのEV走行を謳っている。
合計出力は680psに達するが、電気モーターのトルクによって、数字から想像されるよりも速く感じさせる。サウンドも良く、シャシーはマクラーレンに期待される通り、ドライバーとの距離感を縮めるとともに十分なダイナミクスを発揮する。マクラーレンは油圧機構のステアリングにこだわっており、指先にこれほど鮮明な情報を提供できるスーパーカーはライバルにもほとんどいない。
素晴らしい1台だが、ナンバーワンでないのには理由がある。アルトゥーラは開発に難航し、微調整のために何度も発売が延期されたにもかかわらず、本質的には未完成だからだ。初期に生産された車両から、ソフトウェアの不具合、品質管理の問題、そして奇妙な故障が数多く見つかっている。何度も言うが、素晴らしいクルマであることは間違いない。ただ、顧客の手に渡すにはもう少し開発を煮詰める必要がある。