2024年版 レスポンスも音も「感動的」な最新スーパーカー 11選 性能とデザインで頂点を争う

公開 : 2024.05.25 18:05

9. マセラティMC20

長所:GT寄りのゆったりとした特性、見事なルックス、カーボンファイバー構造
短所:V6ターボのサウンドがイマイチ、ステアリングフィールもさみしい

少し前までは、マセラティはもう店じまいの準備に入っていると多くの人が考えていた時期があった。かつての面影を失い、個性的だが旧式化したGTモデルが、活力の少ないギブリクアトロポルテを支えていた。SUVのレヴァンテが登場してもなお、明るい未来はなかなか見ることができなかった

9. マセラティMC20
9. マセラティMC20

そんな中、突如として発表されたのがMC20というセンセーショナルなスーパーカーだった。アルファ・ロメオとして開発が始まったという噂もあるが、ミドエンジン車のエキゾチックな要素をすべて持ち合わせている。カーボンファイバー製シャシー、ダブルウィッシュボーン・サスペンション、そして最高出力630psを発揮する新開発の3.0L V6ツインターボエンジン。ランボルギーニV10やフェラーリV8の音の迫力にはかなわないにしても、0-100km/h加速は2.9秒、最高速度は325km/hに達する。

しかし、そのパフォーマンスもさることながら、MC20を特別たらしめているのはコーナリング特性だ。車重は1500kgをやや超える程度で、クイックなステアリングと相まって高い俊敏性を発揮する。マクラーレンのような豊かなフィーリングや、フェラーリ296 GTBのような機敏な走りには及ばないかもしれないが、コーナリングのダイナミズムと乗り心地の良さがうまく融合しているので、非常に扱いやすい。

マセラティは何年にもわたって “偽りの夜明け” を繰り返してきたが、MC20はついに、真の意味での復活の狼煙を上げることができるだろう。

8. ノーブルM500

長所:昔ながらのアシストなしのアナログ・ドライビング体験、速さとフィーリングに富んでいる
短所:キャビンの質感と快適性に欠ける

2009年に発売されたノーブルM600に続く待望の新型車。オーディオ業界でレコードが再び注目を集めているように、自動車業界におけるアナログ回帰の象徴となるかもしれない。ますます無味乾燥になっていくデジタルの世界に対する、温かみのあるアナログの反動なのだ。

8. ノーブルM500
8. ノーブルM500

M600のアーキテクチャーを多く引き継いだM500は、フォードGTと同じ最高出力550psの3.5L V6ツインターボを搭載している。先代より安価で入手しやすいモデルとして開発されたが、ドライバーとクルマの距離を可能な限り近づけるというノーブルのこだわりを守っている。

そのため、6速MTが採用され、ABS、トラクションコントロール、エアバッグは装備されない。ステアリングは油圧機構で、シャシーはスチール製、サスペンションは前後ダブルウィッシュボーンを採用している。

弊誌はまだ開発後期のプロトタイプにしか試乗していないが、すでに十分研ぎ澄まされているように感じられた。ステアリングはよりシャープになったが、フィーリングと重量感には何の不足もない。また、MTのメカニカルなシフト・アクションも魅力的で、ブレーキもしっかりしていて強力だ。

こうしたオールドスクールなアプローチは、他の主要メーカーとは一線を画している。ドライバーが力を捧げれば捧げるほど報いてくれる。そういう点では、ノーブルは他の追随を許さない。

記事に関わった人々

  • ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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