四輪駆動の極上クーペ誕生! 最新 BMW M4 CSへ試乗 直6はCSLと同じ550ps 充足感が半端ない

公開 : 2024.05.31 19:05

知る人ぞ知る、四輪駆動の極上クーペ

運転席へ座った印象は素晴らしい。サーキットでの走行会を前提にした車内として考えると、モニターパネルが大きすぎるかもしれないが、それ以外はM4 CSへ集中できる。

乗り心地は、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェで10秒遅いM4 コンペティションと、4秒速いM4 CSLの中間。公道にも充分対応できるかもしれない。

BMW M4 CS(欧州仕様)
BMW M4 CS(欧州仕様)

CSLとの決定的な違いが、四輪駆動なこと。その結果、知る人ぞ知る、極上クーペに仕上がっている。ドイツの道を思い切り飛ばすことは叶わなかったが、路面の荒いオーストリア・ザルツブルクリンク・サーキットを、CSは舞うように駆け回ってみせた。

より軽く低いスポーツカーに乗り慣れた人は、M4の垂直方向の姿勢制御が大きめに感じられるだろう。ステアリングも軽すぎるかもしれないが、慣れてしまえば、揺るぎない自信がドライバーへ生まれる。そして、深い喜びにつながる。

アクセルペダルの加減でコーナリングラインを調整していける自在さは、CSLには及ばないものの、遠からず。試乗車が履いていた、オプションのミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2 Rではなく、通常のタイヤなら、よりそれを謳歌できるはず。

今回のカップ2 Rでは、望み通りの滑らかな回頭性も披露した。コーナーへの侵入から頂点までは、正確でピタリと安定。ストレートめがけた加速時には、最短ラインを辿りながら、見事なトラクションで圧巻の加速を引き出せた。

半端ない充足感 素晴らしいM4のベスト

運転の充足感は半端ない。筆者に許された時間は4周だけだったが、あっという間に過ぎてしまった。

M4 コンペティションより、僅かに軽くなった感覚はある。ブレーキのソリッド感は高い。ステアリングホイールには、より鮮明な情報が伝わってくる。クラスをリードするMのスポーツクーペに、一層磨きがかけられたことは明らかだ。

BMW M4 CS(欧州仕様)
BMW M4 CS(欧州仕様)

英国への導入は、100台のみ。恐らく高額になると考えられるが、素晴らしいM4の中でベストといえる仕上がりといえそうだ。追って、公道での印象をお伝えしたい。

BMW M4 CS(欧州仕様)のスペック

英国価格:−ポンド
全長:4793mm
全幅:1920mm
全高:1387mm
最高速度:302km/h
0-100km/h加速:3.4秒
燃費:9.8km/L
CO2排出量:232g/km
車両重量:1760kg
パワートレイン:直列6気筒2996ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:550ps/6250rpm
最大トルク:66.1kg-m/2750-5950rpm
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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