日産「サムライ顔」SUVを英で生産開始! 新型キャシュカイ、約600万円から 和風デザイン採用

公開 : 2024.05.27 18:05

日産の欧州部門が「キャシュカイ」の改良新型の生産を開始した。日本古来の武士が着用する甲冑をイメージした新しいデザインを採用。装備も充実させて快適性を高めた。

欧州日産の人気クロスオーバー、一部改良

日産自動車は5月24日、一部改良を施したコンパクト・クロスオーバーの「キャシュカイ」の販売を英国で開始した。英国価格は3万135ポンド(約600万円)から。

キャシュカイはCセグメントのクロスオーバー車で、初代モデルは日本でもデュアリスという名で販売されていた。第3世代となる現行型は2021年に登場し、マイルドハイブリッドや日産独自の「eパワー」といった電動パワートレインを搭載している。

一部改良を受けた日産キャシュカイ
一部改良を受けた日産キャシュカイ    日産

キャシュカイは小型のジュークと中型のエクストレイルの間に位置し、英国では日産のベストセラー車となるなど非常に重要なモデルである。今回の改良ではエクステリアのデザインが大きく変更されたほか、標準装備を充実させて快適性と実用性の向上を図った。

グレード展開も見直され、従来のエントリーグレードの「ヴィシア」が廃止されたため、改良前のモデルより3000ポンド(約60万円)値上がりしている。eパワー・システム搭載の最上位グレード「テクナ+」は3万8875ポンド(約775万円)から。

武士の甲冑をイメージしたフロントマスク

最大の特徴は日本古来の甲冑をイメージしたフロントマスクのデザインで、ブラックとサテンシルバーのクロームメッキを組み合わせ、シャープでアグレッシブな印象を与えている。

デザイン責任者のマット・ウィーバー氏は、このデザインはAIの助けを借りて作られたものであり、EVのアリアと調和して「ブランドIDを強化」し、将来のデザインの方向性のベースとなると述べた。

日産サンダーランド工場に並ぶ初代キャシュカイ(左)と新型キャシュカイ(右)
日産サンダーランド工場に並ぶ初代キャシュカイ(左)と新型キャシュカイ(右)    日産

フロントライトは3つのエレメントに分割された。ヘッドライトのプロジェクターは「目」を、デイタイム・ランニング・ライトは「角」を表現している。

リアエンドには、フロントと同じスタイルのLEDライトが装着される。バンパー下部もよりスポーティなデザインに変更された。

日産によると、新しいデザインを採用したことで空力性能と快適性が向上しているという。高速走行時の風切り音が低減されたほか、窓ガラスの厚みを増し、静粛性を高めたとしている。

また、インフォテインメント・システム用のコンピューターの性能が数倍強力になり、グラフィックと処理時間が改善された。

セキュリティシステムも強化され、「Nissan Connect」のスマートフォン用アプリから車両位置をライブ追跡できるほか、車両盗難時に日産、保険会社、警察当局に通報できるようになった。オプションで遠隔イモビライザーも用意されており、コールセンターが警察と連携して移動中の車両を停止させることができるという。

パワートレインに変更はなく、最高出力140psまたは150psのマイルドハイブリッド・ガソリン車と、最高出力190psのeパワー車が選べる。価格差としてはeパワーの方が1975ポンド(約40万円)高い。

改良新型キャシュカイの生産は英国のサンダーランド工場で5月24日から始まっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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