日産 新型リーフ、最短で来年3月にも生産開始か 「困難」に直面する英サンダーランド工場

公開 : 2024.05.28 06:05

英国の雇用を支える巨大工場

20億ポンドにのぼる工場改修費用に対して英国政府からの支援はなかったが、代わりに日産のパートナー企業から資金援助を受けた。

「EV36Zero」と呼ばれるサンダーランド工場の拡大プロジェクトでは、新型リーフ用のバッテリーを供給するための第2バッテリー工場の建設と、近隣でのギガファクトリー建設が計画されている。これらは日産の中国パートナーであるエンビジョンによって運営される予定だ。

サンダーランドでは現在、欧州向けのキャシュカイ(写真)とジュークを生産している。
サンダーランドでは現在、欧州向けのキャシュカイ(写真)とジュークを生産している。    日産

サンダーランド工場は1984年にオープンし、ブルーバードを筆頭に40年近くエンジン車を生産してきた。欧州における日産最大級の自動車工場である。

改修の一環として、EVの重量に対応するために車両輸送用のキャリアも交換する。従業員の教育と訓練も重要な「柱」であり、メディアや外部の目に触れないよう厳重に隠された「極秘エリア」でさまざまなスキルアップが行われている。

工場長のアダム・ペニック氏は「工場全体をスキルアップしなければなりません。大きな課題ですが、品質の評判を維持できるでしょう」と語った。

増産に向けた従業員の増員も予定されている。新型EVが登場すれば、年間生産台数は現在の30万台から「倍増」する推測される。 日産は現在、英国で約7000人の従業員を抱え、国内のサプライチェーン全体で約3万人の雇用を支えている。

「サンダーランドの日産にとって、今はエキサイティングな時期です」とペニック氏は言う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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