メルセデス・ベンツS500 プラグイン・ハイブリッド
公開 : 2014.12.20 23:50 更新 : 2017.05.13 12:50
■どんな感じ?
多くのメーカーは、額面上で有利になるプラグイン・ハイブリッドの導入に全力を注いでいる。しかし普及が進めば進むほど、現実的な実用性の物足らなさに不満が募っているのが現実だ。
しかしS500は例外的なクルマだといっていい。’いつもの’ Sクラスと同じように運転できるのは当然のこととして、快適性を一切スポイルせずに、さらにその洗練度合いが高められているのだ。もちろん経済性に関しては言うまでもない。
コントロールは軽く、通常のSクラスと同様にリラックスして運転できる。また他のハイブリッド・グレードで見られるペダル・レスポンスのむらも見当たらない。ブレーキのタッチにも不満はなく、入力に対するエンジンの反応もすこぶる良好だ。
また先述のトルクもあいまって、低速域からの柔軟性も見事なもの。バッテリーに加えて、エンジンが目をさましてからの洗練は、もはや畏敬の念を抱くレベルだ。サスペンションや風に起因するノイズは、遠くの世界のことのように感じるほどで、キャビンは静かというよりも無音にちかい。
エッジというエッジはすべて丁寧に丸め込まれているおかげで、乗り心地にはとろりとした柔らかさがある。ジェントルという言葉では物足りないほど楽土の境地に達している。