ガソリン車と同等のお値段で! シトロエンe-C3へ試乗 「ぴったり充分」長く使えるイイモノ感

公開 : 2024.06.09 19:05

シトロエンC3が4代目へ進化 ガソリン車と大差ないお値段が現実に 直線基調でシンプルなデザイン 50km/hまでの加速は活発 最大の強みは乗り心地 安っぽさは皆無 英編集部が評価

ガソリン車と大差ないお値段が現実に

シトロエンC3が、4代目へ進化した。先代までは少し影の薄い存在といえたが、初代からの22年間に560万台が提供された、同社にとって主力モデルの1つだ。

新しいC3には内燃エンジン版と電気モーター版があり、今回試乗したのは後者。e-C3を名乗り、航続距離は320km以上とされ、英国価格は2万1990ポンド(約427万円)が想定されている。ガソリン車と大差ないお値段が、ついに現実になったといえる。

シトロエンe-C3(欧州仕様)
シトロエンe-C3(欧州仕様)

この低価格化の鍵となったのが、ステランティス・グループのスマートカー・プラットフォーム。東南アジアやラテンアメリカなど、新興市場で販売されている安価なシトロエンと、同じ哲学で設計されたそうだ。

「コスト破壊のエンジニアリング」を掲げ、スケールアップも前提に、小型車を主軸に開発されている。大型モデルを前提に開発し、簡略化して小さなモデルへ展開するという、一般的なものとは逆の手法といえるだろう。

その結果、部品数は従来から3割ほど削減。製造方法や部品の調達方法も、大きく改められたという。また、前輪駆動のバッテリーEVへ最適化しつつ、内燃エンジンにも対応させている。

e-C3のサイズは、全長4015mm、全幅1755mm、全高1577mm。全高は100mmほど伸びたが、それ以外は3代目と大きく違わない。

直線基調でシンプルなデザイン

見た目はクロスオーバーだが、あくまでも雰囲気重視。最低地上高は高めで、ルーフレールや樹脂製のフェンダーモールを備えるが、走破性はハッチバック並みだと考えていい。フラットなボンネットが、アクティブな印象を強めている。

個人的には、もう少し個性を打ち出しても良かったのではと思う。新しいダブルシェブロンのロゴは目立つし、スクエアで均整は取れているが、大胆さは弱いかもしれない。

シトロエンe-C3(欧州仕様)
シトロエンe-C3(欧州仕様)

インテリアのデザインも、直線基調でシンプル。エアコン関係には独立した操作パネルがあり、10.25インチのタッチモニターは、主にカーナビやオーディオ用。アップル・カープレイとアンドロイド・オートへ、無線で対応する。

ステアリングホイールにも、実際に押せるボタンが並ぶ。ダッシュボードの奥には、メーター用モニターが装備され、基本情報を確認しやすい。一般的なヘッドアップ・ディスプレイより、スペース効率やコスト効率は良さそうだ。

運転席の視点は、通常のハッチバックより100mmほど高め。運転姿勢はクロスオーバー・ライクだ。ダッシュボード上のトレイのほか、小物入れは充実。後席側のスマートフォン置き場など、賢いデザインが散りばめられている。

車内空間にはゆとりがある。シートはアドバンスド・コンフォートと名付けられ、座り心地の良いフォーム材が仕込まれ、肩周りのサポート性が高められた新アイテム。ルノー・クリオより快適だと感じた。

テールゲートの開口部は位置が高く、荷室容量は310Lある。後席の背もたれは、60:40の分割で倒せる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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