史上初3.6L「Tハイブリッド」で541馬力 ポルシェ新型911カレラGTS予約開始 デザイン、足回りも刷新
公開 : 2024.05.29 00:50
ポルシェが911として初となるハイブリッドモデルを公開した。電動ターボ付きの3.6L水平対向6気筒、軽量バッテリー、モーターを組み合わせる。日本国内向けの希望小売価格は2254万円から。
本日(5月29日)より予約受注開始
ポルシェ911に史上初のハイブリッドが導入された。伝統的なフラット6に電動ターボ、電気モーターを組み合わせた「超軽量パフォーマンス・ハイブリッド」とされている。
ドイツの自動車メーカーであるポルシェは5月28日、新型「911カレラ」および「911カレラGTS」を発表した。内外装のデザイン変更、装備の充実化、そしてパワートレインの大幅改良を実施した。
29日より日本国内で予約受注が開始され、希望小売価格(消費税込み)は911カレラで1694万円から、911カレラGTSで2254万円からとなっている。クーペとカブリオレ、タルガトップが用意されている。
新型911カレラGTSは、「Tハイブリッド(T-Hybrid)」と呼ばれるハイブリッドシステムを初めて採用した。新開発の3.6L水平対向6気筒エンジンは、従来型より排気量が0.6Lアップし、電動アシストなしでも最高出力485psと最大トルク58kg-mを発生。これに8速PDKに組み込まれた54ps(40kW)の永久磁石同期モーターの出力を加えると、合計出力541ps、最大トルク62kg-mに達する。
駆動用バッテリーの容量は1.9kWhで、400Vの電圧で作動するが、そのサイズと重量は従来の12Vバッテリーと同等だという。車載電源用の12Vシステムには軽量リチウムイオンバッテリーを使用する。
電動化により車両重量は50kg増の1595kgとなった。そのうち27kgはバッテリーによるものだが、フロントに配置されているため前後重量配分がわずかに変化し、およそ37:63になるという。
ポルシェは、911カレラGTSの0-100km/h加速を3.0秒(従来比0.4秒短縮)、最高速度を312km/hとしている。
Tハイブリッドとは「ターボ・ハイブリッド」の略。耐久レースなどモータースポーツで培った技術を生かし、ウェイストゲートのないボルグワーナー製電動ターボチャージャーを採用、瞬時にブースト圧を上昇させることでレスポンス向上を実現している。ターボの電気モーターはジェネレーターとしても機能し、最大15ps(11kW)の電力を発生するという。
一方、911カレラは改良型の3.0L水平対向6気筒ツインターボを搭載。これまでのGTSモデルからターボを移植し、最高出力394ps、最大トルク45.8kg-mを発生する。0-100km/h加速は4.1秒(スポーツクロノ・パッケージ装着車は3.9秒)、最高速度は294km/hとされている。