フォルクスワーゲン・ティグアン 詳細データテスト おすすめは実用グレード デジタル化はほどほどに

公開 : 2024.06.02 20:25

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

3代目のティグアンは、先代とほぼ同サイズで、BMW X1よりわずかに長い。それよりかなり長いのがトヨタRAV4。いわゆるミッドサイズSUVに分類していいだろう。

現行パサートや、スコダのリニューアルしたシュパーブやコディアックと同じく、プラットフォームはMQBエボのアップデート版。エボとなった時点で、内装クオリティやインフォテインメント系や計器類のデジタル技術、サスペンションが大きく進歩しているという。

ガソリンとディーゼル、ガソリンベースのMHEVとPHEVをラインナップ。完全電動モデルの設定は、ひとまず見送られた。
ガソリンとディーゼル、ガソリンベースのMHEVとPHEVをラインナップ。完全電動モデルの設定は、ひとまず見送られた。    MAX EDLESTON

また、改良を加えても重量増加を抑えた点もみごとだ。2016年にテストしたMTの先代2.0TDIは1610kgで、今回はオプション満載でもそれをわずかに切る1606kgだった。

エンジンも先代同様、横置き4気筒のガソリンとディーゼル。トランスミッションは6速か7速のDCTで、前輪駆動が主流だ。

現時点でのラインナップは、e−TSIこと131psか150psの1.5Lマイルドハイブリッド、150psのTDIこと2.0Lディーゼル、そして204psと272psの1.5LガソリンPHEVであるeハイブリッド。PHEVの駆動用バッテリーは大きめの19.7kWhで、113km以上のEV走行が可能だ。

4WDを希望するなら、非ハイブリッドの2.0Lガソリンモデルが追加される予定だ。FF車には、悪路用トラクションコントロールやラギッドなタイヤ、オフロードに適した最低地上高などが備わらない。

サスペンションは、フロントがストラット、リアがマルチリンクで、コイルスプリングと一般的なパッシブダンパーという構成。よりハードなスポーツサスペンションは、グレードによりオプション設定されるものもあるが、可変パワーステアリングとのセットとなる。テスト車にはアダプティブダンパーのDCCが装着されていたが、これは比較的高価なオプションだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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