フォルクスワーゲン・ティグアン 詳細データテスト おすすめは実用グレード デジタル化はほどほどに
公開 : 2024.06.02 20:25
内装 ★★★★★★★★☆☆
フォルクスワーゲンはキャビンのクオリティ向上を謳うが、これはモダンなデジタル感に負うところが大きいように思える。というのも、先代との違いが見られるのは、マテリアルのソリッドで高価そうな見た目や感触でもなければ、スイッチ類のしっかりした手応えでもないからだ。
そうした作り込みの質感は、長らくフォルクスワーゲンが強みとしているところで、それ内の水準にはあるが、並外れたほどではない。主要装備や二次的な操作系はソリッドでしっかりしているし、収納部は裏地付き。高級感のあるフィニッシュが目を引く部分もある。とくに豪華だったり注目すべきだったりはしないが、プレミアム系のライバルに挑めるだけのリッチさはある。
そのかわり、コストが別の部分にかけられたことは明らかだ。バックライト付きデコレーションパネルがダッシュボードからドアに張り巡らされ、カラーが変化するアンビエントライトも備える。テスト車は、横型15インチの自立式インフォテインメントディスプレイが、ダッシュボード上部に据え付けられていた。また、10.3インチのデジタルメーターの向こうには、ヘッドアップディスプレイも備わる。
センターコンソールのレイアウトは、シフトレバーを右側コラムレバーへ移したことで、収納スペースが生まれた。そのため、ヘッドライトやウインカー、ワイパーを左側レバーに統合しなくてはならず、特にワイパーの使い勝手が直感的ではなくなった。
ヒーターと換気はタッチ画面と、その下のバックライトが追加されたスライダーで操作するが、実体パネルのほうがパッと見でわかりやすいはずだ。
フロントシートは、座面の傾きと長さが調整でき、ヘッドレストの位置もバッチリ。よくできたランバーサポートや、ヒーターとマッサージャーも備わっていた。
後席には、全員分のUSB−C充電ポートや、デジタルデバイス用のシートポケット、シートのスライドとリクライニングが用意される。ヘッドルームとレッグルームの最大値は、パッケージングに優れたBMW X1をわずかに上回る。