フォルクスワーゲン・ティグアン 詳細データテスト おすすめは実用グレード デジタル化はほどほどに

公開 : 2024.06.02 20:25

快適性/静粛性 ★★★★★★☆☆☆☆

オプション設定される15段階のDCCプロ・アダプティブダンパーは、ティグアンの乗り心地とハンドリングにかなり広い調整幅を加えることができたように感じられるが、それをより実感するなら、ホイール径の小さい下位グレードを選ぶほうがいい。

このクルマの最上位のアダプティブサスペンションテクノロジーは、ライフやマッチといった18インチタイヤ装着グレードには容易にフィットする。しかし、20インチホイールに40タイヤを履くR−ラインでは、路面に鋭い突起があると突き上げや衝撃音が出てしまう。プリセットのコンフォートモードより路面に追従するしなやかなセッティングも選べるが、実際には衝撃吸収も路面を問わない走りの万能性も、決して期待したレベルには達しない。

テスト車のコーナリングはまずまずのペースだったが、バンピーな路面ではそれほどしつけがよくない。20インチホイールが、アダプティブダンパーの機能を妨げているようだ。
テスト車のコーナリングはまずまずのペースだったが、バンピーな路面ではそれほどしつけがよくない。20インチホイールが、アダプティブダンパーの機能を妨げているようだ。    MAX EDLESTON

20インチホイールとワイドタイヤが、キャビンの静粛性に悪影響を与えているのも間違いない。80km/h巡航での室内騒音は66dBAで、2022年に計測したBMW X1 xドライブ23i Mスポーツと同等。キア・スポーテージHEVは、これらより明らかに静かだった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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