フォルクスワーゲン・ティグアン 詳細データテスト おすすめは実用グレード デジタル化はほどほどに

公開 : 2024.06.02 20:25

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

3万4000ポンド(約680万円)ほどからはじまる価格帯だが。トップグレードのe−ハイブリッドは4万8000ポンド(約960万円)を超える。コンパクトSUVとしては、明らかにプレミアムな価格帯を狙っている。もっとも、予想される残価も高い。

たしかに、プレミアムブランドならではというような装備水準ではないが、そこはプレミアムブランドと量販ブランドの典型的なパラドックス。量販ブランドは、車両価格に込みとなる装備を削りがちだ。

残価予想はルノーをわずかに凌ぐ程度になりそうだが、同等装備のBMW X1を上回るのはみごとだ。
残価予想はルノーをわずかに凌ぐ程度になりそうだが、同等装備のBMW X1を上回るのはみごとだ。

中間グレードのマッチを選ぶと、前席シートヒーターやフル装備のADAS、パノラミックサンルーフ、アダプティブLEDヘッドライト、ハーマンカードン・プレミアムオーディオ、そしてフォルクスワーゲンのキーとなるインフォテインメントシステムや、ダイナミックドライビングサスペンションとステアリングのパッケージは有償となる。しかも、そのほとんどは、最上位のR−ラインでもオプション扱いだ。

テスト車の平均燃費は、動力テスト込みで14.9km/L、ツーリングだけを抜き出せば15.9km/L。マイルドハイブリッド技術が市街地燃費の改善に大きく寄与しているが、2024年現在の基準で平均的な経済性のファミリーカーを期待すると裏切られる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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