かつては最速の「前輪駆動」 クーペ・フィアット UK版中古車ガイド(2) 5気筒ターボは長寿命!
公開 : 2024.06.16 17:46
購入時に気をつけたいポイント
ボディとシャシー
サイドシルにホイールアーチの内側、フロントのストラット部分、ラジエターマウントの下部、サブフレーム、ボディ側のサブフレーム固定ポイント、車内のフロア、Bピラーの付け根、フェンダーの下端、荷室のフロアなどが弱点。丁寧に確認したい。
ヘッドライトは明るくなく、カバーがくすむと余計に暗くなる。表面を磨くことで透明度は戻せるが、定期的に磨き続ける必要がある。
エンジン
ターボでは特に、エンジンオイルの消費が激しいため、量はこまめに確認したい。ターボチャージャーは、シール材の劣化で白煙が出る場合がある。冷却系では、ラジエターの状態と、ガスケットからのクーラント漏れがないか観察する。
タイミングベルトの交換は、16Vでは4万8000km毎か3年毎、それ以外では8万km毎か5年毎が望ましい。補機ベルトの交換履歴や、オイルクーラーパイプのサビなどもチェックポイント。
エグゾースト系も錆びやすく、社外品へアップグレードされている場合が多い。20Vターボでは、エグゾーストマニフォールドが割れることがある。
ブレーキとサスペンション
ブレーキディスクの歪みや、キャリパーの固着、効き具合を確かめる。サスペンションは、試乗で前後からカタカタ・ミシミシといった異音が出ないか確認したい。
トランスミッション
クーペ・フィアットには5速か6速のマニュアルが組まれたが、信頼性は高い。変速時にギアの回転数を調整する、シンクロメッシュの調子を確かめたい。スムーズに変速できればOKだ。3速で異音が出る場合がある。
インテリア
シートのサイドボルスターは、走行距離が長いほど摩耗しがち。エアコンとミラー、アラーム類など、電装系はすべて正常に動作するか確認したい。ダッシュボードのプラスティック・コーティングは、ベタつきやすいものの修理はできる。
キーは3本付いているのが正解。キーフォブ部分がシルバーとブルー、レッドの3色がある。レッドが大切なマスターキーだ。
フィアット・クーペ・フィアットのまとめ
速いだけでなく、優れた操縦性が高評価を集めたクーペ・フィアット。英国での価格は、状態によって大きく異なる。
中古車の販売店は、価格設定に悩んでいるようでもある。整備記録を確認し、できる限り多くを比較し、自身の1台を決めたいところ。放置された例は見送りたい。
良いトコロ
費用対効果の高いクーペ・フィアット。英国にはこのモデルを得意とするガレージが存在し、オーナーズクラブも協力的。実際に乗って楽しまれてきた例が多い。丁寧にメンテナンスを続けることで、走行距離を気にせず長く楽しめる。
良くないトコロ
酸化が進んだボディやシャシーは、修理が難しい。大金をかけて修理しても、価値が追いついてこない。長期間放置された車両は、故障が頻発する可能性も。初期型の燃費は芳しくない。
フィアット・クーペ・フィアット(1993〜2001年/英国仕様)のスペック
英国価格:1万9874〜2万2374ポンド(1998年時)
生産数:7万2762台
全長:4250mm
全幅:1768mm
全高:1340mm
最高速度:204-249km/h
0-97km/h加速:6.0-9.2秒
燃費:5.3-12.4km/L
CO2排出量:−
車両重量:1244-1345kg
パワートレイン:直列4気筒1747・1995cc/直列5気筒998cc 自然吸気/ターボチャージャー DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:130ps/6300rpm-223ps/5750rpm
最大トルク:16.6kg-m/4300rpm-31.4kg-m/2500rpm
ギアボックス:5速・6速マニュアル(前輪駆動)