BYDはEVだけじゃない! シールU PHEVへ試乗 ライバルはティグアンやRAV4 サスが柔らかすぎる・・
公開 : 2024.06.12 19:05
欧州でじわじわと存在感を拡大するBYD EVに加えてプラグインHVも投入 ライバルはティグアンやRAV4 323psでなかなかパワフル 柔らかいサスで不快なほど揺れる 英編集部が評価
もくじ
ーライバルはティグアンやRAV4
ー1.5L 4気筒エンジンに電気モーター
ー323psでなかなかパワフル 不快なほど揺れる車内
ー予算を増やしライバルを選んだ方が賢明?
ーBYDシールU PHEV(欧州仕様)のスペック
ライバルはティグアンやRAV4
英国で存在感を増している、中国製のバッテリーEV。技術的には悪くないと評価されつつある。だが内燃エンジンに関しては、まだ充分ではないとも考えられている。それでは、その中間にあるプラグイン・ハイブリッドの完成度はどうだろう。
このシールU PHEVは、BYDにとって重要な1台だ。これまで欧州ではバッテリーEVのみをラインナップしてきた同社初となる、内燃エンジンでも走る中型のSUVだからだ。
プラグイン・ハイブリッドは、BYDにとって新しい技術ではない。2008年には、中国初の量産モデルを提供している。それは商業的な成功を得られなかったが、時代の変化とともに技術も進歩し、現在の中国では主力のパワートレインになっているそうだ。
他の例と同様に、シールU PHEVも、まだバッテリーEVへの乗り換えは早いと考えている層がターゲット。ライバルとしては、フォルクスワーゲン・ティグアンやトヨタRAV4などが挙げられる。
AUTOCARの読者なら、中型サルーンのBYDシールをご存知かもしれない。あちらはスポーティなサルーンだが、こちらは背の高いSUV。プラットフォームも異なるそうだ。
スタイリングは、海洋生物をイメージさせるような、うねるようにカーブを描くフォルムが特徴だろう。少しクセが強すぎるかもしれない。
1.5L 4気筒エンジンに電気モーター
パワートレインは2種類。前輪駆動版に載るのは、1.5L 4気筒の自然吸気ガソリンエンジンに、1基の駆動用モーターと、18.3kWhの駆動用バッテリーという組み合わせ。
四輪駆動では1.5L 4気筒エンジンがターボになり、リアアクスルを受け持つ駆動用モーターが追加される。駆動用バッテリーの容量は変わらず、エンジンがリアアクスルを駆動することはない。
トランスミッションは、バッテリーEVのように1速リダクション。ただし、エンジン用と駆動用モーター用で独立しており、互いに協働させるためのリダクションギアも別に備わる。
インテリアは、ダッシュボードやドアパネル、シートなどが合成皮革で覆われている。硬質なプラスティックが露出する場所は、殆どない。
タッチモニターは15.6インチと大きく、縦向きから横向きへ回転可能。エアコンの温度調整や速度警告機能などにショートカット・アイコンが表示されるものの、実際に押せるハードボタンの方が扱いやすいことは間違いない。
ワイヤレスのスマートフォン充電パッドは2台分、SUBポートは4口ある。家電を動かせるコンセントも備わり、充電中にプレイステーションで遊べなくもない。
車内空間は平均的な広さ。リアシートにも大人が問題なく座れる。荷室容量は425Lで、RAV4よりやや狭い。