2023年 欧州でリコールの多かった自動車ブランド 20選 1車種で「9件」発生も

公開 : 2024.06.01 18:05

2023年に欧州市場でリコールの多かった20のブランドを取り上げる。必ずしもブランドの品質につながるものではないが、ユーザーとしてぜひ知っておきたいポイントである。

欧州リコール発生件数 上位20ブランド

自動車には膨大な開発予算をかけられるにもかかわらず、何千人もの消費者の手に渡ってから欠陥が明らかになることも少なくない。今回は2023年に欧州でリコールの多かった20のブランドを紹介する。

欧州連合(EU)には「セーフティゲート(Safety Gate)」という機関があり、EU圏内で販売されるすべての商品について安全上のリスクを監視している。もちろん自動車も対象で、リコールに発展するとほとんどの場合、消費者ではなくメーカーの費用負担で対応が行われる。

欧州でリコールが多かった上位20ブランドを紹介する。
欧州でリコールが多かった上位20ブランドを紹介する。

本稿では欧州のリコール照合サイト「Car-Recalls.eu」のデータを参考にしている。リコールの少ないブランドから昇順で紹介していくが、当然ながら販売車種の多いブランドほど件数も多くなるので、その点を考慮してご覧いただきたい。リコールの件数が、車種やブランドの品質に必ずしも直結するものではないということだ。

また、リコールは広範囲に及ぶことがあるため、対象車種をすべて挙げているわけではない。そして、リコール制度自体も国や地域によって大きく異なるため、万国共通の普遍的なものではない。

20:ジャガー – 2車種で5件

EVのIペイス(写真)ではバッテリーの劣化により熱過負荷となり、出火の危険性があるなどの理由で3件のリコールが発生した。もう1台はFペイスで、パワートレイン・ソフトウェア・モジュールと冷却水ポンプに関するリコールがあった。

20:ジャガー - 2車種で5件
20:ジャガー – 2車種で5件

19: 日産 – 4車種で5件

アリア(写真)では駆動用モーターが故障してショートする可能性があり、ジュークではブレーキとアクセルを同時に踏むとハイブリッドシステムがリセットされ、エンストを引き起こす可能性があった。マイクラにはシートベルトのアンカーに関する問題があり、リーフにはクルーズコントロール解除後の意図しない加速に関する問題があった。

19: 日産 - 4車種で5件
19: 日産 – 4車種で5件

18:ポルシェ – 4車種で5件

パナメーラには後席シートベルト・ブラケットの誤装着とエアコンポンプの劣化の可能性で2件、911にはサイドエアバッグの誤展開に関する問題があった。パナメーラと同様、マカン(写真)にも後席シートベルト・ブラケットに関するリコールが発生。スーパーカーのカレラGTはシャシー部品の劣化問題でリコールとなった。

18:ポルシェ - 4車種で5件
18:ポルシェ – 4車種で5件

17:ボルボ – 10車種で5件

S60(2019~2023年)は、フロントエアバッグ、オイルライン、ブレーキ制御ソフトウェアに関する3件のリコールがあった。XC90(2015~2023年)、C40(2023年)、V60クロスカントリー(2018~2022年)、S90、V90、V90クロスカントリー、XC40XC60(写真)にも同じブレーキの問題でリコールが発生した。また、XC90は後席シートベルトバックルとステアリング関連のリコールがあった。

17:ボルボ - 10車種で5件
17:ボルボ – 10車種で5件

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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