2024年版 「本格派」の高性能オフロード車 10選 道を選ばない欧州 “最強” SUV

公開 : 2024.06.02 18:05

8. スズキジムニー

特長:個性豊か、価格の割に能力値が高い
短所:洗練されていない運転感覚、トランクが小さい

スズキはジムニーを世界で唯一の軽量オフローダーとして売り出しているが、まったくもってその通りである。車両車重は1100kg強(欧州仕様)だが、ラダーフレームシャシーにリジッドアクスル式サスペンション、低レシオの四輪駆動システムを採用している。

8. スズキ・ジムニー
8. スズキ・ジムニー

ジムニーはオフロードで実によく走る。オーバーハングが小さいので、アプローチ、ブレークオーバー、デパーチャーアングルのすべてにおいてラングラーよりも優れている。また、非常に小さく軽いため、泥や砂利の上でも驚くほど扱いやすい。

個性的なルックスに惹かれる人も多いだろう。しかし、自然吸気の1.5Lガソリンエンジンはあまり経済的ではなく、トランクは小さいし、舗装路における乗り心地もよくない。ブレーキを強く踏む場面では、特に注意が必要だ。

コアなジムニーファンならご存知かもしれないが、英国では排ガス規制の問題から2020年に販売を一旦取りやめ、代わりに装備を簡素化した商用車仕様が導入された。後部座席を廃したため、トランクはとても広くなったが、家族で使うことはできなくなった。

それでも、楽しさを追い求めてジムニーを買う人は後を絶たない。趣味を重視する人はもちろん、仕事で悪路を走らなければならない人にも選ばれている。

9. サンヨン・レクストン

長所:お買い得感、トランクが大きい
短所:乗り心地が悪い、高級感に欠けるインテリア

レクストンは、手頃にどこでも走れる大型オフローダーだ。これまでも、デザインにまとまりがなかったが、4WDとしての能力は確かなものがあった。最新型では見た目がよくなり、7人乗り、ラダーフレーム構造、ローレンジ付き機械式四輪駆動、電子制御式ヒルディセント・コントロール、最高出力204psの2.2Lディーゼルエンジンを搭載している。

9. サンヨン・レクストン
9. サンヨン・レクストン

路面の凹凸に大きく反応するなど、舗装路では少々雑な印象を受けるが、大型車としては十分なハンドリング性能を持ち、エンジンとトランスミッションもしっかり仕事をしてくれる。

本格的なオフロードでは、車高の変えられないスチール製サスペンションと、20度をわずかに超える程度のアプローチ&デパーチャーアングルが足を引っ張る。しかし、オフロードを走る場面が多く、大型でコストパフォーマンスの高いクルマを求めているなら、レクストンを検討する価値はあるだろう。

10. ダチア・ダスター

長所:お買い得感、室内が広い
短所:車載技術は未熟、まだところどころに安っぽさを感じる

限られた予算で人里離れた場所に向かうには、ダチア・ダスターがちょうどいい。以前ほど安くはないが、近年の物価を考えれば破格の価格設定である。同じBセグメントのハッチバックでも、この価格でこれほどの装備を整えることは難しいだろう。

10. ダチア・ダスター
10. ダチア・ダスター

本格的なオフロードを走るには装備が心細いが、ラフな非舗装路には十分だ。四輪駆動システムはなかなかの優れもので、通常は前輪のみ駆動し、ホイールスピンを検知すると素早く後輪を駆動させる「オート」モード、トルク配分を前後50:50に設定してトラクションを最大化する「ロック」モードなどが用意されている。

また、急斜面を登るための短い1速ギアや、斜面を下るためのヒルディセント・コントロールも備わっている。最大の強みは、適度な最低地上高と軽い車両重量であり、大型のライバルが沈んでしまうような場面も乗り越えることができる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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