いよいよステーションワゴン登場! BMW i5 ツーリングへ試乗 万能道具感は先代を超えず?

公開 : 2024.06.14 19:05

単体の印象は素晴らしい でも先代を超えない?

少なくとも、i5 ツーリング単体での印象は素晴らしい。見た目も、サルーンより美しいように思う。ルーフラインが伸ばされ、テールゲートが色っぽく倒されたリア周りは、鋭いナイフでスパッと削られたようなフロントノーズとバランスが取れている。

観察力が鋭い読者なら、テールライト両端が上方へ切れ上がっているのに気付くだろう。これが、後ろ姿に特徴を与えている。ただし先代と異なり、リアガラスだけ個別に開くことはできなくなった。

BMW i5 ツーリング eドライブ40(欧州仕様)
BMW i5 ツーリング eドライブ40(欧州仕様)

英国へ導入されるi5 ツーリングは、現状では先述の2段階。試乗車だった後輪駆動のeドライブ40は、英国価格が6万9945ポンド(約1399万円)から。M60 xドライブでは、9万9995ポンド(約2000万円)へ上昇する。

ドイツ製の大型ステーションワゴンの魅力といえるのが、どんなシーンにも対応できる、多能性や多面性だろう。特にBMWの5シリーズ・ツーリングは、スポーティでフォーマル。控えめな雰囲気の、有能なグランドツアラーとして機能してきた。

先代の530d ツーリングなら、1度の給油で800km前後は走り続けられた。乗り心地は素晴らしく、最後の1kmまで運転を楽しめた。価格はより安く、荷室も広かった。かくしてi5 ツーリングは、その訴求力を超えたとはいえないだろう。

このクラスのバッテリーEVとして、最新のi5 ツーリングが魅力的なことは間違いない。それでも、先代へ匹敵する万能道具感までは、得られていないように感じた。

BMW i5 ツーリング eドライブ40(欧州仕様)のスペック

英国価格:6万9945ポンド(約1399万円)
全長:5060mm
全幅:1900mm
全高:1515mm
最高速度:193km/h
0-100km/h加速:6.1秒
航続距離:524-550km
電費:5.6-5.9km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2180kg
パワートレイン:同期モーター
駆動用バッテリーバッテリー:81.2kWh(実容量)
急速充電能力:−kW
最高出力:340ps
最大トルク:40.7kg-m
ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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