車内空間、乗り心地、操縦性、どれも強み! ルノー・セニック E-テック 593kmのロングレンジ版へ試乗

公開 : 2024.06.16 19:05

操縦性はクラストップの水準 有力な選択肢に

しなやかでフラットな乗り心地も、他車より抜きん出ている部分。英国のツギハギが多いアスファルトを優しくなだめ、上品なマナーを生んでいる。

ステアリングレシオは、ロックトゥロックが2.34回転と、比較的クイック。高めの速度域ではやや反応に鈍さも出てくるが、コーナリングは機敏。グリップ力は高く、安定性にも優れ、操縦性はクラストップの水準にあるといっていい。

ルノー・セニック E-テック・エレクトリック・ロングレンジ・アイコニック(英国仕様)
ルノー・セニック E-テック・エレクトリック・ロングレンジ・アイコニック(英国仕様)

218psが叶える0-100km/h加速は7.9秒で、ファミリー・クロスオーバーとしては充分以上。多くのバッテリーEVと同様に、発進時が特に鋭い。1918kgと比較的軽めの車重も、運転体験へポジティブな影響を与えている。内燃エンジンの同クラスより重いが。

素晴らしい車内に充実した装備、上品なロードマナーを獲得したセニック E-テック。競争の激しいクロスオーバー・カテゴリーに、有力な選択肢が登場したようだ。

英国での納車は2024年7月からと告知されているが、この国ではルノーの2番目に売れるバッテリーEVになると予想されている。現在のトップセラーは、ハッチバックのメガーヌ E-テック・エレクトリックとのこと。

また同社は、今後9か月以内に2台の電動モデルを欧州でリリース予定。レトロフューチャーなデザインをまとった、コンパクトカーの5(サンク)と4(カトル)だ。こちらの仕上がりへも期待が高まる。

ルノー・セニック E-テック・エレクトリック・ロングレンジ・アイコニック(英国仕様)のスペック

英国価格:4万5495ポンド(約910万円)
全長:4470mm
全幅:1864mm
全高:1571mm
最高速度:168km/h
0-100km/h加速:7.9秒
航続距離:593km
電費:5.9km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1918kg
パワートレイン:AC永久磁石同期モーター
バッテリー:87kWh(実容量)
急速充電能力:150kW
最高出力:218ps
最大トルク:30.4kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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