フォルクスワーゲン・トゥアレグ 詳細データテスト 実直な大型SUV PHEVの経済性はそこそこ
公開 : 2024.06.15 20:25 更新 : 2024.08.04 03:15
意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆
2023年にはフェイスリフトで前後とも外観が変更され、最新世代のマトリックスLEDヘッドライトであるIQライトHDを採用する最初のフォルクスワーゲンとなった。英国仕様はこれが標準装備で、見た目にやや華やかさが増している。ライトの下には、左右いっぱいにLEDライトバーが走る、拡幅されたグリルが張り出した。
リアもライトを刷新し、LEDライトバーを追加。上級機種では、VWバッジまで赤く光るようにもできるが、その有無は好みで選べる。
アルミとスティールのボディワークの下には、やはり多種の金属を用いたモノコックシャシーが。フォルクスワーゲングループで広く用いる、MLBエボプラットフォームのバリエーションだ。エンジンはフロント縦置きで、いずれも3.0LターボV6。その背後にトルクコンバーター式の8速ATが続き、ハイブリッド車はそれらの間にモーターが挟まる。フルタイム4WDで、センターデフはトルセン式だ。
英国で販売されるICEモデルは、ディーゼルが231psと286psのV6TDI、ガソリンが340psのV6TSIで、ガソリン車のほうが高額な仕様。381psのeハイブリッドは、価格的にはディーゼル2台の間に位置し、最上位には462psのeハイブリッドRが君臨する。
ちょっと奇妙な価格設定に思えるかもしれないが、これには装備内容が影響している。ICEモデルはブラックエディション仕様で、eハイブリッドRと同じくアダプティブダンパーとセルフレベリング式エアスプリングを標準採用し、4WSも選べる。いっぽうのeハイブリッド・エレガンスは、車高固定のスティールコイルとパッシブダンパーで、エアサスペンションはオプション設定だ。
おそらくこれは、車両重量を抑えることで、よりよい電費データをスペック表に掲載するのが狙いだろう。それでも、燃費や低エミッションが、競合勢に比べてめざましく秀でているというわけではない。
実測した車両重量は2446kgで、前後重量配分は52:48。V6PHEVのフルサイズSUVとしては立派な数字だが、実用14.3kWhというバッテリー容量は、このクラスとしてはかなり小さいほうだ。