2024年版 使い勝手バツグンで「走り」も良い欧州ミニバン 10選 合理的で快適な1台

公開 : 2024.06.16 18:05

2. シトロエンベルランゴ

長所:大きなトランクと豊富な収納力、長距離ドライブも快適
短所:シャープさが足りない、インテリアは安っぽさがある

20年以上前、シトロエンは商用車ベースのミニバンとしてベルランゴを投入した。その最新モデルとなる第3世代ベルランゴは、初代の風変わりな魅力をしっかり受け継いでいる。

2. シトロエン・ベルランゴ
2. シトロエン・ベルランゴ

5人乗りの標準車と7人乗りのベルランゴXLがあるが、いずれにせよ、ベルランゴを選ぶべき確かな理由がある。まず、室内は実に広々としており、至るところに収納スペースが設けられ(合計186L)、7人乗りでもトランクは十分に使える。サイドドアはスライド式で、狭い駐車場でも楽に乗り降りでき、子供をチャイルドシートに乗せるのも簡単だ。

そして何より、ゆったりとして落ち着きのある乗り心地と直感的なステアリングフィールで、どんな道でもリラックスして移動を楽しめる。充実した装備、魅力的な価格設定、そして広さを武器に、SUVに打ち勝つことだってできる。

シトロエンというブランドが好みでない場合(あるいは近くにディーラーがない場合)には、兄弟車のプジョー・リフターとフィアットドブロという選択肢もある。いずれも、日常使いにおける逸品である。

3. フォルクスワーゲン・マルチバン

長所:多才なインテリア、新しい外観と優れた室内空間、大柄だが扱いやすい
短所:扱いにくいインフォテインメント・システム、ガタピシ音と共振、始動のたびに「EV」モードがデフォルトになる

大家族にぴったりのフルサイズ・ミニバン。フォルクスワーゲンの最新「T7」マルチバンは、80年近いTシリーズの歴史の中で最もスタイリッシュなモデルだ。

3. フォルクスワーゲン・マルチバン
3. フォルクスワーゲン・マルチバン

商用車向けプラットフォームではなく、乗用車向けのMQBプラットフォームを採用し、ゴルフをそのまま大きくしたかのような安心感、快適性、洗練された走りを実現している。ステアリングは正確で、ボディコントロールは良好、乗り心地はしなやかだ。

目を瞑っていれば、ミニバンに乗っていることなどわからないかもしれない。これを支えるのは、1.5Lガソリンと2.0Lディーゼル、それにゴルフGTIの2.0 TSIというパンチの効いたエンジンラインナップだ。PHEVもあり、バッテリーのみで走るEV航続距離は50kmと謳われている。

乗り込むと、柔軟性を備えた広大な空間が広がっている。最大7人乗りで、後部座席はスライド、回転、折りたたみが可能。座席を取り外せば(1脚15kgと決して軽くはないが)、引っ越しの仕事だってできそうだ。

また、収納スペースも充実しており、忙しい日々で溜まってしまう小物や雑貨をしまっておくことができる。さらに、欧州車としては珍しく両側スライド式のサイドドアが採用され、SUVとは比べ物にならない乗降性を有している。

気になる点は、ゴルフ8と同じようにエアコンの操作パネルが非点灯のタッチセンサー式であることだ。特に夜間は操作しづらく、イライラさせられる。研究開発を重視するはずのフォルクスワーゲンにとって、この設計は人間工学的な悪夢である。

それ以外は、広々として快適な、見事なミニバンである。しかし、価格は4万ポンド(約800万円)強から始まり、最上位グレードでは7万ポンド(約1400万円)を超えるのだから、出来の良さも当然といえば当然かもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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