2024年版 使い勝手バツグンで「走り」も良い欧州ミニバン 10選 合理的で快適な1台
公開 : 2024.06.16 18:05
9. メルセデス・ベンツEQV
長所:極めて静かでなめらか、正確なステアリング
短所:サイズが大きい、他のEVより発進がやや遅い、跳ねるような乗り心地
メルセデス・ベンツのラインナップは、EQBからEQVまで7人乗りのEVがかなり充実している。
Vクラスの電動版であるEQVは、大柄で背の高い商用車のようなミニバンで、両側スライド式サイドドアを備えている。2列目のキャプテンチェアは、回転させて後ろに向けることもできる。
最高出力207psの電気モーターを搭載し、1回の充電での航続距離は320km強とされる。重量は重いが、エアサスペンションを装備していることもあって驚くほど静かで快適で、さらにハンドリングも良好である。サイズの割に扱いやすい。
空港の送迎ハイヤーなどでVクラスを見かける機会も多いが(特に海外)、EQVに乗れればラッキーだ。ドライバーとしても、充電の手間はかかるがメリットは大きい。
10. レクサスLM
長所:贅沢な後部座席とくつろぎ空間、内装材の質感が素晴らしい
短所:2.3トンの車体重量にエンジンは苦戦を強いられる、高速道路の乗り心地はイマイチ
レクサスLMは、舞踏会から次の舞踏会へと富裕層を移動させる、古典的なタイプの高級ミニバンだ。8万9995ポンド(約1800万円)からと非常に高価だが、ラグジュアリーを追求したインテリアは確かに特別感がある。
スライドドアを開けると、開放感のある広大なラウンジスペースが現れる。後部座席はヒーターとベンチレーション機能を備えたファーストクラスのリクライニングシートで、7つのマッサージ機能やフットレスト、クッションまで用意されている。フラットに寝かせて仮眠を取ることもできる。
後部座席用に48インチの大型ディスプレイがあり、スマートフォンサイズのタッチスクリーンからすべてのメディア機能を操作できる。アームレストに隠されたワイヤレス充電器でスマートフォンの充電も可能。その他、冷蔵庫や靴置き場など、ホテルの客室のような機能を備えている。
乗客としてはファーストクラスに乗っているような気分を味わえるかもしれないが、ドライブには向いていない。英国仕様では2.5L 4気筒ガソリンエンジンと、シングルモーター(FF)またはデュアルモーター(4WD)を組み合わせたハイブリッドモデルが設定されている。
どちらのパワートレインでも車両重量に苦戦し、しばしば遅く、反応が鈍く、概してパワー不足に感じられる。また、意外なほどノイズが多く、現時点では十分に洗練されているとは言い難い。