ボルボV40 T5 R-デザイン

公開 : 2014.12.23 23:50  更新 : 2021.10.11 09:10

■どんなクルマ?

ボルボV40シリーズがマイナーチェンジされ、2015年モデルへと進化を果たした。ここで紹介するのは、その日本仕様の第一弾モデルとなる “V40 T5 R-デザイン”。T5というネーミングはこれまでと同様だが、この2015年モデルでは、新たに直噴型の2ℓ直列4気筒ターボエンジン= “Drive-E” を搭載。ミッションも新型の8速ATが組み合わせる。最高出力 & 最大トルクは245ps & 35.7kg-m。これは従来型に搭載されていた2ℓ直列5気筒ターボエンジンと比較すると、最高出力では約15%、最大トルクでは約17%の強化となるほか、燃費性能も約14%を向上させた計算。JC08モード燃費は15.1km/ℓ。この数字は、エンジンのみならず、8速化されるとともに “ECO+” モードなどを採用した、新型ATの進化による部分も大きい。V40 T5 R-デザインは、運動性能と環境性能を、これまで以上に高いレベルで両立させたモデルということになる。

V40シリーズの中でも、スポーティなキャラクターを強く主張するT5 R-デザインだけに、エクステリアやインテリアにも独特なフィニッシュが見られる。フロント・グリルやリアのデフューザー、そして18インチ径のホイールやエグゾーストのエンドパイプは専用デザイン。インテリアでも高級なレザー・シートやスポーツ・ステアリング、センター・スタックなどは、このモデルに専用のデザインだ。インフォテーメント・システムが、その機能性を大きく進化させていることも見逃せない。

サスペンションも独自のセッティングだ。ボルボによれば、スタンダードなV40と比較して、スプリングはフロントで10%、リアでは7%ほど硬めのセッティングに。ダンパーも同様に強化型となり、リアにはモノチューブ・ダンパーが与えられた。バンプ・ストップやリア・スタビライザーも専用タイプとなる。このT5 R-デザインが最も強く意識するライバルは、やはりVW伝統の作である、”ゴルフGTI” といったところだろうか。

■どんな感じ?

V40 T5 R-デザインをゴルフGTIと比較して、まず魅力的に思えたのはエクステリアとインテリアのフィニッシュだ。前後方向に伸びやかな、そしてスムーズな曲線で構成されるV40のボディ・シルエットは、美しさとともに卓越した機能性を備えた、いわゆる典型的なスカンジナビア・デザインである。専用デザインの18インチ径ホイールも、フットワークの力強さと軽快さを見事に演出している。インテリアのデザインも素晴らしい。さらなる進化を遂げたインフォテーメント・システムは、ステアリング上のスイッチとともに、音声操作にも対応するが、個人的にはさらにタッチパネル式などの直感的な操作が可能になることを期待したい。

記事に関わった人々

  • 山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。

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