ボルボV40 T5 R-デザイン

公開 : 2014.12.23 23:50  更新 : 2021.10.11 09:10

2ℓ直列4気筒ターボ・エンジンと8速ATで構成される、新型パワー・ユニットは、実に魅力的なフィールを発揮していた。低速域から十分に発揮されるトルクと、レブ・リミットまで一気に吹け上がるスムーズさは、このエンジンが最大の美点とするところ。ATが8速化されたこともあり、加速はこれもまたスムーズの一語に尽きる。シフト時のショックをほとんど感じさせないのも大きな特長だ。この8速ATは、ECO+モードを選択すると、高速クルーズでの低負荷時には、燃費向上のために惰性走行を行う、コースティング機能が働くが、その制御も実に自然なものだった。

このパワー・ユニット以上に印象的だったのは、サスペンションのチューニングだ。直進安定性やコーナリングでのスタビリティはまさに圧巻。正確無比なステアリング、そしてこれもまた絶対的な信頼性が持てるブレーキとの組み合わせで、ワインディングでは確実にゴルフGTIに迫り、そしてまたそれを超越するだけの楽しさを感じる。かつてここまでナチュラルな感覚でチューニングされたフットワークがボルボの作にはあっただろうか。思わずそう考えさせられてしまうほどに魅力的な走りが、T5 R-デザインにはあった。

■「買い」か?

マイナーチェンジによって、日本市場でのプライスは若干高くなったが、その一方で、歩行者やサイクリストの検知機能付き衝突回避・軽減フル・オート・ブレーキなどの最新安全装備をフル搭載した、”インテリセーフ10″ を標準化したこと。そして燃費性能の向上や車重の軽減による減税等々を考えれば、結果的にコスト・パフォーマンスは、これまで以上に高くなったと考えてよいだろう。走りのレベルはこのクラスでは間違いなくトップ・レベル。確実にファースト・チョイスとなり得る一台だ。

(文・山崎元裕 写真・花村英典)

ボルボV40 T5 R-デザイン

価格 4,360,000円
最高速度 240km/h
0-100km/h加速 6.3秒
燃費 16.9km/ℓ
CO2排出量 137g/km
乾燥重量 1510kg
エンジン 直列4気筒1968ccターボ
最高出力 245ps/5500rpm
最大トルク 35.7kg-m/1500-4800rpm
ギアボックス 8速オートマティック

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記事に関わった人々

  • 山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。

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