「大胆で挑戦的」なロータス・エレトレ S 迎え撃つアウディSQ8 e-トロン 電動SUV直接比較(1)

公開 : 2024.06.22 09:45

広大な車内 SQ8 e-トロンを凌駕する上質感

しかし、エレトレ Sは僅かに軽量で高効率。車重を比べると、2540kg対2650kgで、ひと回り小さいSQ8 e-トロンより100kg以上軽い。改名される前のe-トロンの発売は2018年だから、6年後発のロータスは、もっと軽くできたようにも思えるが。

駆動用バッテリーの容量はほぼ同じ。アルミホイールは、エレトレの方がひと回り大きい。空気抵抗を示すCd値は、0.26で共通している。

ロータス・エレトレ S(英国仕様)
ロータス・エレトレ S(英国仕様)

サイズに余裕があるだけあって、エレトレの車内は広大。これも、ロータスとしては異例の事実といえる。前席側も後席側も広々としており、大人がゆったりくつろげる。

リアシートの座面は硬めでフロアの位置が高く、膝を曲げる格好で座るため、太ももまわりのサポート性は良くない。リクライニングできるから、脚を前方へ投げ出せるが。

荷室も広大。日常的に運びたいと考えそうなものは、大概積めるだろう。ロータスなのに、実用性は間違いなく高い。単に大きいだけのクルマとは違う。

インテリアの素材も上質。本来はアウディの得意分野といえるが、内装の肌触りや視覚的な魅力で、SQ8 e-トロンを凌駕していることは否定できない。アルミ製のシャシーに薄いパッドが張られていた時代とは、まったくの異空間といっていい。

全面がアルカンターラで仕立てられ、ソフトで、フラットな部分は見当たらない。細部のテクスチャーは思わず指で触れたくなるし、スイッチのタッチも素晴らしい。ドアスピーカーも彫刻的。間接照明が優雅に灯り、ステアリングコラムも装飾されている。

この続きは、ロータス・エレトレ S アウディSQ8 e-トロン 電動SUV直接比較(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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