【FFと4WDの比率は8:2】 好調な台数推移の都会派SUV ホンダ新型ヴェゼル試乗

公開 : 2024.06.14 17:45  更新 : 2024.06.17 16:40

2024年4月にイチバン売れたSUV「ホンダ・ヴェゼル」に試乗します。ホンダのグローバル・スモールSUV戦略車とも言えるクルマで、現行型は2022年発売、更に今年4月にマイナーチェンジが施されました。

2024年4月にイチバン売れたSUVは、ヴェゼルだった!

ホンダのグローバル・スモールSUV戦略車として2013年に初代が登場したヴェゼル(ほとんどの国で輸出名はHR-V)。2022年に2代目にフルモデルチェンジされ、そして今年4月にマイナーチェンジされた。

事前に先行情報を公開した効果もあってか、人気は順調。4月の販売台数は7752台、5月は5717台で、SUVではトップだ。登録車全体でも、4月は第4位、5月は第6位となったのだから、たいしたもの。

ホンダ新型ヴェゼルに試乗
ホンダ新型ヴェゼルに試乗

計画以上の受注にホンダは追われているが、それでも現在のところオーダーから納車までは1〜2カ月、ガラスサンルーフ仕様は+1カ月というところだという。

そんな要注目のヴェゼルに試乗する機会を得た。独特のフレームレスのフロントグリルなど、外観はパッと見には大きく変わってはいない。だが、従来型のユーザーが新型を見て、マイナーチェンジなのに大きく変わってしまった…とガッカリさせることはないから、個人的には評価したいポイントだ。

だが、近くに寄ってよく見ると、グリル形状やフロントまわりの顔つきは少し精悍になったし、テールランプもフルLEDになった。乗り込めば、インテリア全体の印象は変わらないが助手席からもアクセスしやすいセンターコンソールなど、扱いやすさが向上している。

弟分のWR-Vが登場したこともあり、ラインナップも少し変更され、新たなパッケージも設定された。これらについては、試乗しながら紹介していくことにしよう。

e:HEVによる走りは進化。市街地でエンジン作動は減った

まず最初に試乗したのは、中核グレードである、e:HEV XのFF。それに新たに設定されたHuNTパッケージを装着したモデルだ。

エクステリアではカッパーメタリックのガーニッシュや専用デザインのアルミホイール、そしてルーフレールも装着し、アウトドアテイストを強めている。

ホンダ新型ヴェゼルに試乗
ホンダ新型ヴェゼルに試乗

インテリアではカーキ×ネイビーの専用カラーが新鮮で、シート地はには撥水・撥油機能のあるファブテクトを採用するなど、アウトドアで遊び倒したい人に向いているといえるだろう。

ホンダ独自のハイブリッドであるe:HEVは、モーターで動く領域が増やされた。

これはバッテリー容量は変えておらず、ソフトのアップグレードによるもなのだが、市街地レベルの走行ではエンジンがかかる領域は以前よりも少なくなっている。また、エンジンON/OFFによるショックや音もおさえられており、パワーフローのメーターを見ていないと気づかないかもしれない。

FF車はリアダンパーの減衰力を下げて欧州仕様と同じセッティングにしたそうだが、これが奏功しており、ちょっとしたワインディングロードでの走りも楽しめる。思いどおりのハンドリングを実現しながら、しかも乗り心地は悪くない。今回の試乗ではリアシートにカメラマンを乗せる機会が多かったのだが、きわめて快適に過ごせたようだ。

高速道路を走る機会も得たが、ホンダセンシングの出来は相変わらず良く、ACCで走行中、前走車の有無による加減速もスムーズ。エンジンも極端に回転数を上げることなく、またノイズも抑えられている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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