【FFと4WDの比率は8:2】 好調な台数推移の都会派SUV ホンダ新型ヴェゼル試乗

公開 : 2024.06.14 17:45  更新 : 2024.06.17 16:40

ヴェゼルのFFと4WDの比率は8:2だという

続いて試乗したのは、トップグレードであるe:HEV Zの4WD。それに従来型では独立グレードだったPLaYをパッケージとしたモデルだ。

2トーンのボディカラーやグレージュのインテリアカラーがオシャレで、マッドなイメージは感じさせない、都会派のSUVといった感じだ。とくにインテリアは女性にもウケそうだ。

ホンダ新型ヴェゼルに試乗
ホンダ新型ヴェゼルに試乗

またZとXではグレードの差で、装備もけっこう異なる。例えば、全席ワンタッチパワーウインドー、リアベンチレーション、パワーテールゲートなどはZのみの装備。ただしZとXでは30万円以上の価格差があるから、このあたりは予算と使い方で検討して選びたいものだ。

e:HEVのパワートレインそのものはFFと同じだが、やはり車両重量が100kg違うこともあり、軽快感はFFには劣る。

またZは18インチのタイヤ&ホイールを装着しており、これも16インチのXより重さを感じさせる。静粛性に極端な違いはないが、FFのほうが静かだ。今回の試乗はドライの舗装路がほとんどで4WDの恩恵を試すような機会はなかったが、減速時のみリアの駆動をやめる4WDは低μ路で空転を減らしたり、効果はかなり高そうだ。

従来型のヴェゼルでは、FFと4WDの比率は8:2だという。

実際、首都圏のような年に1〜2回、雪が積もるかどうかというような場所に住んでいて、たまにウインターレジャーを楽しむというレベルなら、FFのSUVにスタッドレスタイヤを履けば問題なく過ごせるはず。とはいえ、より北の積雪地帯に住んでいるのなら、4WDは必要不可欠になるだろう。

最後に短時間だが、エンジン車にも試乗した。WR-Vとの差別化のため4WDのみの設定で、リーズナブルな価格となった。前述のような寒冷地でエンジン車のコンパクトSUVを探しているなら、この選択もありだ。1.5Lエンジンは必要かつ十分なパワーで、走りっぷりは悪くない。

ヴェゼルの属するコンパクトSUVクラスは、国内外のライバルがひしめいている。内外装をリファインし、走りや乗り味も向上させたヴェゼルは、SUVトップの座を守り続けられるのか。今後の健闘に期待したいところだ。

試乗車のスペック

ヴェゼル e:HEV X HuNTパッケージ(FF)

<>内はe:HEV Z PLaYパッケージ(4WD)

メーカー希望小売価格(税込)299万8600円<377万6300円>
●全長×全幅×全高:4340×1790×1580<1590>mm
●ホイールベース:2610mm
●車両重量:1350kg<1450>
●エンジン:直4 DOHC+モーター
●総排気量:1496cc
●最高出力:106ps/6000~6400rpm
●最大トルク:13.0kg-m/4500~5000rpm
●モーター最高出力:131ps/4000~8000rpm
●モーター最大トルク:25.8kg-m/0~3500rpm
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:レギュラー・40L
●WLTCモード燃費:26.0km/L<21.3>
●タイヤサイズ:215/60R16<225/50R18>

ヴェゼル G(4WD)主要諸元

メーカー希望小売価格(税込)264万8800円
●全長×全幅×全高:4340×1790×1580mm
●ホイールベース:2610mm
●車両重量:1320kg
●エンジン:直4 DOHC
●総排気量:1496cc
●最高出力:118ps/6600rpm
●最大トルク:14.5kg-m/4300rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・45L
●WLTCモード燃費:15.0km/L
●タイヤサイズ:215/60R16

ホンダ新型ヴェゼルに試乗
ホンダ新型ヴェゼルに試乗

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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