スポーツ・モードでは経済的なMPVのキャラクターにおおよそそぐわないステアリングの重さになってしまう一方、乗るからにはそれなりの手応えを求める向きにとってはさほど悪いものではない。

視界は良好で、低速の乗り心地も快適なもの。高速道路の速度域における安定感も高いレベルにある。上り坂では5速か4速までダウンシフトする必要があるものの、電子制御によるレブ・マッチングのおかげであまり苦になることはない。

コーナリング時に不安定な挙動を生じることもなく、適度にドライバーを楽しませてくれるあたりはBMWの十八番。ただしドキドキするほどのパンチは期待すべきではない。

■「買い」か?

ある程度の質感を求めながら、経済的で多芸なクルマをお探しならば216dこそ打ってつけ。あとはどんなオプションを選ぶかを考えればいい。

ただし218dの存在は無視できない。こちらは2.0ℓの4気筒エンジンを載せ、150psを発揮しながら日常的な使用でも21.2km/ℓを達成するからだ。

そのうえ£1,145(21万円)のみの価格差ときたら、216dに様々なオプションを組み合わせるよりも魅力的に思えてくるのは無理もない。

(フランシスコ・モタ)

BMW 216d アクティブ・ツアラー

価格	£23,060(431万円)
最高速度	195km/h
0-100km/h加速	10.6秒
燃費	26.3km/ℓ
CO2排出量	99g/km
乾燥重量	1440kg
エンジン	直列3気筒1496ccターボ・ディーゼル
最高出力	116ps/4000rpm
最大トルク	27.5kg-m/1750rpm
ギアボックス	6速マニュアル