マイチェンで「歴代最強」 フォルクスワーゲン・ゴルフ R 試作車へ試乗 最高水準の魅力に揺るぎナシ!

公開 : 2024.06.15 19:05

容易に圧巻の走りを披露 エンジンとシャシーが調和

12psパワーアップしたとはいえ、EA888型2.0L 4気筒ターボの印象は、フェイスリフト前とさほど変わりない。6800rpmまで颯爽と回り、ターボラグはほぼなく、たくましい動力性能を簡単に引き出せる特徴もそのままだ。

ゴルフ Rのハイライトは、このパワートレイン。これほど容易に、圧巻の走りを披露してくれるモデルは数少ない。ただし、踏み初めのアクセルレスポンスがやや過敏。穏やかに発進させたい時は、慎重に右足を傾ける必要がある。

フォルクスワーゲン・ゴルフ R(プロトタイプ/欧州仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ R(プロトタイプ/欧州仕様)

7速DSGは、素早く次のギアを選択する。最も熱いドライブモードでマニュアルを選ぶと、リミッターに当たってもシフトアップしない制御もうれしい。

シャシーも、パワートレインと調和するように敏捷。コントロールしやすいだけでなく、エンターテインメント性も高次元で叶えている。フェイスリフト前からそうだったから、驚くことではないかもしれないが。

アダプティブダンパーは標準装備になり、極めてタイトな姿勢制御を実現。ステアリングは自然な重み付けで、強力なグリップ力と相まって、正確にライン取りしていける。

もちろん、しゃかりきにラップタイムを競うだけのクルマではない。ドライバーが望めば、踊らせるようにゴルフ Rを扱うことも難しくない。Rモードがアップデートされ、四輪駆動ながら、アクセルペダルの加減でノーズの向きを調整しやすくなった。

最高水準の魅力に揺るぎはない

ドライバーとの深い一体感では、前輪駆動のホンダシビック・タイプRの方が勝る。それでも、メルセデスAMG A 35より、遥かに軽快に振り回せる印象がある。

今の自動車業界は、CO2削減へ最大限の努力が求められている。フォルクスワーゲンが、ゴルフ Rのアップデートへ割り当てられた予算は小規模だったのかもしれない。しかし、そもそも完成度の高かったホットハッチは、一層研ぎ澄まされようとしている。

フォルクスワーゲン・ゴルフ R(プロトタイプ/欧州仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ R(プロトタイプ/欧州仕様)

量産仕様のステアリングホイールを握るまで、具体的な評価は避けたい。それでも、最高水準の魅力に揺るぎはないようだ。

フォルクスワーゲン・ゴルフ R(プロトタイプ/欧州仕様)のスペック

英国価格:−ポンド
全長:−mm
全幅:−mm
全高:−mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:4.6秒
燃費:−km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1475kg(予想)
パワートレイン:直列4気筒1984cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:332ps/5600-6500rpm
最大トルク:42.7kg-m/2100-5500rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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