大胆「お化粧直し」で最新ルノー顔に! 改良版キャプチャー E-テックへ試乗 直感的な操縦性が強み

公開 : 2024.06.28 19:05

ルノーの主力コンパクト・クロスオーバー、キャプチャーが大胆に更新 従来の2代目とまったく別の雰囲気に 最新クリオへ通じるインテリア 自然で直感的な操縦性 英国編集部が評価

従来の2代目とまったく別の雰囲気に

ルノーのスタイリングを統括する、デザイナーのジル・ヴィダル氏が就任したのは、2代目が発売されてから。主力の小型クロスオーバーでありながら、キャプチャーは最新のデザインスタイルから取り残されていた。

そこでモデル中期のフェイスリフトは、かなり踏み込んだ内容になった。最新のセニック E-テックのイメージへ、一気に寄せられた。インテリアもだいぶ新しくなっている。それでも、日産ジュークフォード・プーマなどよりお手頃な価格は変わらない。

ルノー・キャプチャー E-テック(欧州仕様)
ルノー・キャプチャー E-テック(欧州仕様)

キャプチャーの欧州での支持率は高く、2013年の初代発売から、200万台以上がラインオフしている。とはいえ、フォルクスワーゲンTロックプジョー2008など、強豪も多い。今回のアップデートで、人気の維持を図る狙いだ。

新しいキャプチャーでまず目が行くのは、リフレッシュされたルノーのロゴを中心に、凛々しくなったフロントマスク。2019年に発売された従来の2代目とは、まったく別のシャープな雰囲気を漂わせる。ジグザグに灯るデイライトも新鮮だ。

リア側はこれまでのイメージが残るものの、テールライトへ手が加えられている。ボディサイズは、全長4239mm、全幅1797mm、全高1575mmでほぼ変わりなし。プラットフォームは、ジュークと同じCMF-Bだ。

シャシー回りでは、姿勢制御を改善するためダンパーを更新。フロントがマクファーソンストラット式、リアがトーションビーム式のサスペンションと、ステアリングの設計も見直し、よりダイナミックな走りを目指したという。

クリオへ通じるインテリア 扱いやすいタッチモニター

ドアを開くと、新しいクリオ(ルーテシア)との共通性が見て取れる。ルノーが主張する通り現代的かつ上質で、ライバルとは一線を画す印象を与える。

まず目を引くのが、10.4インチのタッチモニター。インフォテインメント・システムにはグーグルの技術が利用され、スマートフォンとワイヤレスで連携できる。カーナビと車両設定、電話、音楽などの項目が画面上部に固定表示され、扱いやすい。

ルノー・キャプチャー E-テック(欧州仕様)
ルノー・キャプチャー E-テック(欧州仕様)

グラフィックも鮮明。グーグル・マップも利用できる。従来まで存在した、エアコンの操作パネルは姿を消したが、モニターの下に鍵盤のようなスイッチが独立して用意され、使い勝手が良い。

ミドルグレードのテクノでは、ダッシュボードがソフト加工され、助手席の正面にはグラブハンドルが備わる。トップグレードのエスプリ・アルピーヌでは、内装の多くがクロス張りに。アルピーヌのロゴもうれしい。

ただし、グレードを問わず高級感はほどほど。硬いプラスティックのままのエリアも少なくない。ATのシフトレバーも、不自然に揺れることがあり、製造品質は高くない様子。バックカメラの画像は荒く感じられた。

標準装備は充実しており、テクノ・グレードでもパーキングセンサーやワイヤレス充電機能、オートヘッドライトなどが備わる。インテリアの雰囲気は、カラーリングでだいぶ変化する。クロームやレザーは、持続可能性を理由に用いられない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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