大胆「お化粧直し」で最新ルノー顔に! 改良版キャプチャー E-テックへ試乗 直感的な操縦性が強み

公開 : 2024.06.28 19:05

車内空間はやや狭め 相性の良いE-テック

車内空間は、このクラスで比較しても狭めだろう。前席側は、クリオの方が高さ方向に40mmほど余裕があるようだが、原因の1つはサンルーフ。エスプリ・アルピーヌには標準装備だ。もっとも、サンルーフなしでも着座位置が高めで天井は近い。

シートの調整域は広く、自分にピッタリの運転姿勢を探しやすい。座り心地も良く、数時間後に身体のどこかが痛くなることはなかった。小物入れが各所に用意されるほか、複数段にわかれたダッシュボードの収納は、特に便利に思えた。

ルノー・キャプチャー E-テック(欧州仕様)
ルノー・キャプチャー E-テック(欧州仕様)

後席側は、英国の平均的な大人が座れる広さ。高さ方向で920mmあり、クリオ以上だ。座面の位置は高く、乗降性は良い。荷室容量は、リアシートの位置で484Lから616Lへ変化する。その背もたれを倒せば、1275Lの空間を生み出せる。

英国で提供されるパワートレインは2種類。その1つが、1.0L 3気筒ターボで、最高出力は91psを発揮する。6速MTが標準だ。

もう一方が、ハイブリッドのE-テック。95psの1.6Lエンジンに、48psの駆動用モーター、24psのスターター・ジェネレーター、1.2kWhの駆動用バッテリーが組まれる。システム総合で147psが主張される。

筆者が試乗したのは、E-テック。軽負荷時のレスポンスに優れ、市街地で扱いやすく、キャプチャーとの相性は良い。駆動用モーターが積極的に働き、交差点からのダッシュも軽快だった。

自然で直感的な操縦性がストロングポイント

他方、流れの速い郊外では質感に若干の陰りが出る。急な登り坂では低いギアが保たれ、エンジンは必要以上の高回転になる場合も。駆動用モーターからエンジンへの移行も、滑らかさに欠けるかもしれない。

高速道路では、追い越し時のキックダウンが遅れ気味。それでも、パワー不足は感じないだろう。

ルノー・キャプチャー E-テック(欧州仕様)
ルノー・キャプチャー E-テック(欧州仕様)

自然で直感的な操縦性は、2代目キャプチャーのストロングポイント。ステアリングのレシオは速すぎず遅すぎず。切り始めから反応が漸進的で、狙ったラインを辿りやすい。高速道路では、もう少しすわりが良ければ一層ベターだ。

サスペンションは再設計され、安楽な乗り心地からスポーティ志向へ変化。姿勢制御に優れ、挙動を予想しやすく、バランスの良いシャシーを快活で正確に操れる。スタビリティ/トラクション・コントロールの介入は控えめで、邪魔に感じることはなかった。

ボディロールはそれなりに生じるが、意図通り自然にカーブを旋回していく。数多いライバルの中で、褒められる運転体験なことは明らかだ。積極的なドライバーを、満足させるほどではないとしても。

垂直方向の姿勢制御はタイトで、起伏の目立つ区間を走らせると揺れがやや目立つ。工事の補修跡が多い市街地では、落ち着きを得にくいといえるが、不快なほどではない。

ルノーは、乗り心地の改善など、既存ユーザーからの意見を取り入れたとしている。フランス車らしい快適性を求めるなら、19インチ・ホイールは避けた方が良いかも。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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