1.5L 3気筒の新型クーパー Cへ試乗 「1つ以外は」最新ミニに求めるすべて! 活発な子犬のよう

公開 : 2024.06.22 19:05  更新 : 2024.07.04 09:01

ミニらしさを近未来的に解釈した車内

市街地を普通に走っている限り、デュアルクラッチATは良く機能する。それでも、運転を楽しめそうな仕上がりなのに、マニュアルモードがないのは不思議に思えた。

隠しコマンドのようだが、ドライブセレクターを30秒ほど押し続けると、シフト表示の部分がM1へ切り替わる。この状態なら、クルーズコントロールのスイッチで、任意のギアを選ぶことはできる。診断用のメンテナンスモードらしいが。

ミニ・クーパー C(英国仕様)
ミニ・クーパー C(英国仕様)

インテリアは、個人的にはかなり気に入っている。ダッシュボードやドアパネルは、ざっくり織られたファブリックで包まれ好印象。丸く大きなタッチモニターと、その下の小さなスイッチパネルは、ミニらしさを近未来的に解釈したように映る。

スピードメーターは、ドライバーの正面にない。だが、半透明のディスプレイに投影され、不便には感じなかった。

ただし、気になる点も。インフォテインメント・システムは、入力への反応が遅れ気味。タコメーターを表示させるには、スピードメーター・アプリを立ち上げなければならない。トリップコンピューターを表示させるには、何度もスワイプする必要がある。

ベーシックなクーパー Cの英国価格は、お手頃とはいえなくても現実的。2万2300ポンド(約446万円)からに設定され、近似する動力性能を持つライバルへ並ぶ。実際の燃費は16.0km/L前後となり、これも悪くないだろう。

1つを除き、モダン・ミニへ求めるすべてがカタチに

新世代へ進化したミニ・クーパー。基本へ立ち返ったスタイリングで、少し凝りすぎていたような印象は解消された。ボディサイズは、比較的小さいまま。コーナリングは小気味いい。

マーケティング担当者は、あと少しだけ、技術者と仕様を詰めても良かっただろう。従来のプラットフォームの進化版なのだから、恐らくMTは設定できたはず。

ミニ・クーパー C(英国仕様)
ミニ・クーパー C(英国仕様)

少なくとも、自らギアを選べるシフトパドルは全車に設定して欲しかった。それ以外は、モダン・ミニに求められるすべてがカタチになっていると思う。

ミニ・クーパー C(英国仕様)のスペック

英国価格:2万2300ポンド(約446万円)
全長:3876mm
全幅:1744mm
全高:1432mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:7.7秒
燃費:16.7km/L
CO2排出量:135g/km
車両重量:1335kg
パワートレイン:直列3気筒1499cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:156ps
最大トルク:23.4kg-m
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事