2024年版 ガソリンが世界一高い国/安い国 20選 なぜ違いがあるのか背景も紹介
公開 : 2024.06.23 18:05
香港:3.210ドル(約505円)=世界で最も高い国
香港ではスペースが限られるため、自動車所有率は先進国の他の地域よりもはるかに低い。その結果、自前の石油精製能力を持たない香港では、ガソリン1L当たりの価格が世界で最も高価な地域となっている。
燃料や自動車の購入には高い税金がかかるため、自家用車の所有は抑制され、住民は一般的に公共交通機関を利用している。燃料代の3分の1が税金であり、香港で自動車に燃料を入れるのは贅沢な行為である。
香港でガソリンを満タンにするには、世界平均の約2倍のお金がかかる。また、土地に余裕がないことから、給油所の設置と維持にもコストがかさむ。
では、最も燃料代が安いのはどの国だろうか? ここからは安い10か国を見ていこう。
ナイジェリア:0.474ドル(約74円)
ナイジェリアは主要な産油国だが、精製能力が非常に限られているため、ガソリンのほぼ全量を輸入に頼っている。にもかかわらず、歴史的に燃料が非常に安い。政府が莫大な補助金を投じてコストを抑えてきたからだ。
ナイジェリアのドライバーにとって燃料が安いのは当然のことであり、政府が補助金を減らして価格を本来の供給コストに近づけようとすると、しばしば大規模な抗議デモが起こる。
しかし、政府が2023年に補助金を打ち切ったことで、価格は25%上昇した。それでも世界水準では非常に安い。2024年1月、ナイジェリアで新しい製油所が開設した。これがフル稼働すれば国内のガソリン生産が大幅に増加し、燃料代も下がる可能性がある。
マレーシア:0.436ドル(約68円)
マレーシアの石油の約4分の3は海外で販売されており、国民に安く提供する余裕がある。しかし近年、燃料代が高騰している隣国インドネシアに密輸されるという問題も生じている。
その結果、マレーシア政府は軽油に対する補助金制度を改定し、軽油の密輸取引を阻止するために50%以上値上げした。また、ガソリンにも同様の補助金減額を適用する計画がある。
トルクメニスタン:0.429ドル(約67円)
中央アジア諸国の中で、トルクメニスタンはイランに次いで2番目に燃料代が安い。トルクメニスタンでは石油よりも天然ガスの生産量がはるかに多いが、膨大な石油埋蔵量があるため国内需要の大半をまかなうことができる。なお、同国の給油所はすべて国営である。
アンゴラ:0.351ドル(約55円)
アンゴラはナイジェリアに次ぐアフリカ第二の産油国である。しかし、国内に石油精製所が少ないため、ほとんどのガソリンは輸入されている。輸入燃料のコストに対抗するため、歴代のアンゴラ政府は燃料補助金を支給してきた。
しかし、2024年の予算案でこの補助金が廃止されることになり、価格が大幅に上昇する可能性がある。アンゴラ政府は、2025年末までにすべての燃料補助金を廃止すると発表している。