2024年版 ガソリンが世界一高い国/安い国 20選 なぜ違いがあるのか背景も紹介

公開 : 2024.06.23 18:05

クウェート:0.343ドル(約54円)

中東の産油国の中で、ガソリンが最も安いのがクウェートだ。これは、余剰石油を世界に販売して得た利益から、国民に燃料価格を補助するという政策によるものだ。

つい最近まで、ガソリン1Lはミネラルウォーター1本より安いほどだったが、燃料価格のわずかな値上げによって状況は変わっている。

クウェート:0.343ドル(約54円)
クウェート:0.343ドル(約54円)

アルジェリア:0.342ドル(約53円)

アルジェリアも主要な石油産出国である。自国の需要を満たすことができ、余剰分を他国に販売して収入を得ている。

石油輸出で得た利益で、アルジェリア政府は国内のガソリン販売価格を低く抑えている。恩恵を受けるのはドライバーだけではない。アルジェリアの公共交通機関は非常に安く、国民全員が低コストで移動できる。

アルジェリア:0.342ドル(約53円)
アルジェリア:0.342ドル(約53円)

エジプト:0.285ドル(約44円)

アフリカ大陸でリビアに次いでガソリン価格が安いエジプト。その理由はおおむね政府の補助金だ。エジプトは他の多くの石油埋蔵国よりも原油の生産管理に成功しており、原油を自給し、その大半を国内用に精製している。

燃料に課せられる税金も非常に低く、さらなる低価格化に貢献している。

エジプト:0.285ドル(約44円)
エジプト:0.285ドル(約44円)

ベネズエラ:0.035ドル(約5.5円)

南米最大の石油埋蔵量を誇るベネズエラは、1970年代から1980年代にかけて国営石油会社が精製設備に投資してきた。その結果、ガソリン価格は1Lあたり3セント強となり、一般的な乗用車であれば1ドル未満で満タンにできる。

しかし、汚職が国内のインフラに打撃を与えているため、このように多額の補助金が支給されている状況であっても、ドライバーはなかなか恩恵を受けられない。

ベネズエラ:0.035ドル(約5.5円)
ベネズエラ:0.035ドル(約5.5円)

リビア:0.031ドル(約4.9円)

リビアもまた、膨大な石油埋蔵量のおかげでガソリン価格が非常に安い国である。石油の輸出で莫大な収益が得られるため、リビア政府は国内の燃料価格を非常に低く抑えている。

一方、送電網が整備されていないため発電機の需要が高く、その燃料となる軽油は割高だ。リビアでは軽油はガソリンより約50%高い。

リビア:0.031ドル(約4.9円)
リビア:0.031ドル(約4.9円)

イラン:0.029ドル(約4.5円)=世界で最も安い国

イランは膨大な量の石油を埋蔵しており、その大部分を中国に輸出しているが、最近では自動車向けのガソリンの多くを輸入に頼っている。この輸入燃料のコストはイラン政府によって相殺され、1Lあたりの価格は3セント以下となる。近隣の産油国よりはるかに安く、政府が値上げや補助金の削減を行おうとした際には、激しい抗議デモが相次いだ。

また、イランでは国内用に精製できる原油の量と高まる消費者需要との間にギャップが広がっている。そのため政府に対して補助金を削減し、燃料価格をコストに見合ったものにするよう圧力がかかっている。しかし、少なくとも今のところ、イランのガソリンは世界で最も安い。

イラン:0.029ドル(約4.5円)
イラン:0.029ドル(約4.5円)

記事に関わった人々

  • 執筆

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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