【発売まであと1週間】登場秒読みのBYDシールってどんなクルマ? 挑戦的な価格、「ファミリー」の存在を解説
公開 : 2024.06.18 18:35 更新 : 2024.06.18 19:25
・6月25日に日本発売が予告されているBYDシール
・中国ではPHEVの兄弟車も「ファミリー」続々
・挑戦的なプライスタグをひっさげて登場へ
日本では後輪駆動と全輪駆動の2種を販売
2023年、BEVとPHEVを合計した販売台数で世界トップとなる302万台を販売した中国の自動車メーカー「BYD」。
日本でも2023年1月から乗用車の販売を開始し、首都圏や関西方面を中心に街中でBYDのクルマを見かける機会が増えてきている。
そのBYDが次なる車種として日本で発売するのが、純電動セダン「シール(SEAL)」だ。
BYDシールは2022年8月に中国本国で発売されたセダン。2021年に新たな純電動プラットフォーム「e-Platform 3.0」の採用モデルとしてお披露目された「ocean-Xコンセプト」Mに端を発し、2022年3月に量産モデルが公開された。
ボディサイズは全長×全幅×全高=4800×1875×1460mm、ホイールベース2920mmと、車格としてはDセグメントセダンに属する。
BYDは中国歴代王朝から名付ける「王朝シリーズ」と、海洋生物や艦種から名付ける「海洋シリーズ」の主に2つを展開し、「アザラシ」を意味するシールは後者に属する。
丸みを帯びたフォルムはアザラシのように可愛らしくも伸びやかで、フェンダーにある黒いキンクはアザラシのヒレを想起させる。
フロントマスクは上部のヘッドライトクラスタと下部のデイライトを「コの字」形状に繋げた灯火類が印象的。
バンパー下部のダクトと合わせてXのラインを緩やかに描く「オーシャンXフェイス」はBYD最新のデザインランゲージとなる。
中国における純電動モデルの駆動方式は、後輪駆動と全輪駆動の2種類を設定。
後輪駆動には出力150kW(204ps)、170kW(231ps)、そして「性能版」と呼ばれる230kW(313ps)の3種類を展開する。
全輪駆動は先述の「性能版」のフロントに160kW(218ps)のモータを追加し、最高出力390kW(530ps)を誇る仕様。
日本に投入されるのは、後輪駆動の最上位グレード「性能版」と全輪駆動の2種となる。
日本仕様のバッテリー容量は82.5kWhのみ
肝心のバッテリーはもちろんBYD自社開発の「ブレードバッテリー」だ。
ブレードバッテリーは「刀」形状のバッテリーセルを並列させたバッテリーで、種類としては安価なリン酸鉄(LFP)リチウムイオン電池となる。
BYDは元々はバッテリーメーカーとして創業した。その強みを生かし、同社はブレードバッテリーが安全性とエネルギー密度に優れるとしてアピールする。
シールの中国仕様のバッテリー容量は61.4kWhと82.5kWhの2種類が用意される。前者はCLTC(中国独自基準による計測)航続距離550kmの下位グレード向け。
日本仕様としては上位グレードしか投入されないため、後輪駆動と全輪駆動のいずれもバッテリー容量は82.5kWhとなる。
航続距離はWLTCモードでそれぞれ640kmと575kmと公表しており、カタログ上の数値としてはCLTCモードでの計測値の9掛けほどとなる。
これまでシールは純電動モデルのみの展開であったが、2023年7月にはPHEVモデルの「シールDM-i」が投入された。
こちらは全長×全幅×全高=4980×1890×1495mm、ホイールベース2900mmの別ボディを採用する新モデル。
パワートレインはBYD472QA型1.5L直列4気筒エンジン、上位グレードではそれのターボエンジン「BYD476ZQC」を採用。
バッテリーは最上位グレードで容量30.7kWhのブレードバッテリーを搭載しており、純電動航続距離はWLTCモードで200kmとする。
シールDM-iは2024年に「シール07 DM-i」へと改称、加えてより小型な「シール06 DM-i」も発表された。
今後、BYDは「シール」をセダン車種の総称として位置付け、さまざまなサイズのモデルを投入していく予定だ。