【発売まであと1週間】登場秒読みのBYDシールってどんなクルマ? 挑戦的な価格、「ファミリー」の存在を解説

公開 : 2024.06.18 18:35  更新 : 2024.06.18 19:25

満を持しての登場 価格設定はいかに?

純電動版のシールが採用するプラットフォームは「e-Platform 3.0」と呼ばれるもので、先述のブレードバッテリーを基幹とする。

それに加え、高圧配電モジュール(PDU)、バッテリーマネジメントシステム(BMS)、オンボードチャージャ(OBC)、車両コントロールユニット(VCU)、モーターコントロールユニット(MCU)、DC-DCコンバータ、駆動モータ、トランスミッションをひとつにまとめた「8 in 1 パワーシステムアッセンブリー」、そして「高効率ヒートポンプシステム」でこのプラットフォームは構成されている。

BYDシール(画像は英国仕様)
BYDシール(画像は英国仕様)    AUTOCAR

e-Platform 3.0はすでに日本で販売中のSUV「アット3」やコンパクトハッチ「ドルフィン」でも採用されている。

だが、シールでは独自に「セル・トゥ・ボディ(CTB)」という構造を採用する。これはバッテリーパックのトップカバーをボディのフロアと一体化させることで、バッテリーパック自体がボディの補強を担う一部となる形だ。

これにより得られるボディのねじり剛性は40500Nm/degにもなり、F80型のBMW M3やロールス・ロイス ゴーストにも匹敵する。

また、普通の電気自動車ではフロア高さが嵩みがちだが、CTBを採用することで低く抑えられている。

シールは日本向け車種の第三弾として2024年6月25日に発売される。BYDは2023年1月に日本で乗用車を販売開始して以来、2024年5月までの累計受注台数は2300台を超えた。

これまで日本で乗用車を販売したことのない中国ブランドであることを加味するとかなり好調だが、BEV自体が若干の下火傾向にあることも考えると、BYDとしてもなんとか現状維持から増加傾向へと転じさせたいだろう。

このような事情も考えると、日本仕様のシールはかなり挑戦的なプライスタグを下げて、6月25日の発売日にわれわれの前に登場することになるのではないかと予想する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    加藤博人

    Hiroto Kato

    山口県下関市生まれ、横浜在住。慶應義塾大学環境情報学部に在学するかたわら、各自動車メディアにて「中国車研究家」として中国の自動車事情について「クルマ好き」の視点で多様な記事を執筆する。また、自費出版で中国モーターショーのレポート本「中国自動車ガイドブック」シリーズも手掛けている。愛車は1998年型トヨタ カレンと1985年型トヨタ カリーナED。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

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    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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