さらにワイルド&ドラマチック! 改良版マクラーレン・アルトゥーラへ試乗(1) アプデで総合700psへ

公開 : 2024.06.20 10:05

新しい可変ダンパーを獲得 エグゾーストも改良

主な推進力はV6ツインターボエンジン。M630型と呼ばれる広角ユニットで、強化されたクランクシャフトが組まれた。従来のV8ツインターボより50kgも軽く、コンパクトな点が強みだ。

8500rpmまで吹け上がり、パワーが上昇していく「クレッシェンド効果」を感じれるよう、チューニングされてもいる。エンジンマウントは強化された。

マクラーレン・アルトゥーラ・クーペ(英国仕様)
マクラーレンアルトゥーラ・クーペ(英国仕様)

アクティブ・エグゾーストも改良。エンジンサウンドを一層堪能できるよう、パイプでキャビンへ導かれるアクティブ・シンポーザーも追加された。

8速デュアルクラッチ・オートマティックは、変速速度を短縮。トルクベクタリング機能を備える、電子制御のリミテッドスリップ・デフを介して、後輪が駆動される。ちなみにリバースギアはなく、電気モーターを逆回転させてバックする。

フロントがダブルウイッシュボーン式、リアがマルチリンク式のサスペンションは、遥かに高速で制御されるアダプティブダンパーを獲得。従来と同様にコイルスプリングが支えるが、姿勢制御を引き締め、操縦性と安定性を向上させたとしている。

ブレーキは、カーボンセラミック・ディスクが標準。ステアリングには、電動油圧アシストが組まれる。

思慮深いインテリアデザイン 小物入れ多数

インテリアを観察していこう。2シーターのキャビンには適度なゆとりがあり、身長の高い大人でも窮屈には感じない。ヘルメットを被れる余地もある。座り心地の良いクラブスポーツ・シートが標準で、快適な運転姿勢へすぐに落ち着ける。

サイドシルの位置が低く、乗降性はスーパーカーとしては良好。ひと呼吸置くと、マクラーレンの思慮深いインテリアデザインに気づける。

マクラーレン・アルトゥーラ・クーペ(英国仕様)
マクラーレン・アルトゥーラ・クーペ(英国仕様)

グローブボックスは備わらないが、ドアポケットは大きく、シザーズドアが開いても物が落ちないよう工夫されている。細身のセンターコンソールにも、小物入れとカップホルダーがある。

シフトセレクターの両脇にも、深いスリット。スマートフォンを立ててしまうのに丁度いいだろう。

メーターパネルはモニター式。ステアリングコラムに固定され、運転姿勢に合わせてステアリングホイールを調整すると、一緒に角度が変わる。リムに隠れてメーターが見えない、という状況はほぼ避けられている。

大きなシフトパドルがステアリングホイールの奥にあり、パワートレインとシャシーのモードを選択するスイッチが、メーターカウルの上端にある。運転中でも、視線をそらさず変更しやすい。

インフォテインメント・システムも最新版に

インフォテインメント・システムは、MIS IIという名の最新版。8.0インチの縦に長いモニターと、実際に押せるホームボタンとスクロールホイールが用意されている。処理速度は速く、操作性も良い。それでも、エアコン用に独立した操作パネルは欲しかった。

英国仕様の純正カーナビは少し使いにくいが、メーター用モニターにマップを表示できて便利。アップル・カープレイとアンドロイド・オートには無線で対応する。ワイヤレス充電ポーチが、アップデートに合わせて用意された。

マクラーレン・アルトゥーラ・クーペ(英国仕様)
マクラーレン・アルトゥーラ・クーペ(英国仕様)

試乗車にはバウワース&ウィルキンス社製の、12スピーカー・オーディオが組まれていた。音質がクリアだったことは、いうまでもない。

スパイダーの場合、シート後方の収納空間が格納式ルーフで占拠される。48km/hまでなら走行中でも開閉可能で、約11秒で完了する。運転席からの視界は良好。スパイダーでも同様だ。

公道での印象は、改良版マクラーレン・アルトゥーラへ試乗(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

改良版マクラーレン・アルトゥーラへ試乗の前後関係

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