925馬力のアウディ最強モデル登場 「eトロンGT」大幅改良、デザイン一新 装備も充実化
公開 : 2024.06.20 06:05
アウディがフラッグシップEV「eトロンGT」の改良新型を発表。新モデルとして最高出力925psの「パフォーマンス」が追加された。バッテリーや回生ブレーキも強化され、航続距離は最長609kmとなる。
バッテリーやモーターを強化
アウディRS eトロンGTが改良を受け、最高出力925psを誇る同社最強の市販車となった。
ドイツの自動車メーカーであるアウディは6月18日、フラッグシップEV「eトロンGT(e-tron GT)」の改良新型を欧州で発表した。外観を一新し、バッテリー容量やモーター出力、充電速度を高めている。欧州価格は12万6000ユーロ(約2135万円)から。
改良の内容は、J1プラットフォームを共有し、2月に改良を受けた兄弟車ポルシェ・タイカンとほぼ共通している。
駆動用バッテリーは素材やセパレーターの変更、冷却システムの小型化などにより、使用可能容量(ネット値)を84kWhから97kWhに増やすと同時に9kg軽量化し、重量を625kgとした。また、最大充電速度は270kWから320kWに向上した。
アウディは重要なポイントとして、280kW以上の充電速度を従来よりも広い温度範囲で、より長い時間(充電率約70%まで)維持できるようになったことを強調している。
回生ブレーキも強化され、利用できるエネルギーは290kWから400kWに向上。1回の充電での航続距離は欧州WLTPサイクルで最長609kmとされる。
「S」モデルが標準に
今回の改良に伴い、モデルラインアップも再編成された。「S eトロンGT」と命名されたエントリーモデルは、デュアルモーターから合計出力679psを発生する。
上位モデルの「RS eトロンGT」は合計出力856psに引き上げられた。そして、最上位モデルとして合計出力925psの「RS eトロンGTパフォーマンス」が追加された。アウディで最もパワフルな市販車であり、0-100km/h加速はわずか2.5秒とされる。
出力はわずかに異なるものの、それぞれポルシェのタイカン4S、ターボ、ターボSをほぼ反映したものだ。
ただし、ベリンガー・ヘーフェ工場の生産能力不足を理由に、現時点ではシングルモーター仕様の導入計画はまだない。
エアサスペンションは2つのタイプが用意される。標準装備されるのは2チャンバーのデュアルバルブシステムで、現行型よりも調整範囲が広く、快適性とボディコントロール性が向上するという。
2つ目はオプションのアクティブ・サスペンションで、スタビライザーの代わりに4つの油圧アクチュエーターを使用する。スポーツ走行では、ブレーキング、コーナリング、加速時に車体を水平に保ち、タイヤのグリップを確保する。また通常走行においては、ピッチングとローリングを補正し、乗員が感じる加速度を低減するという。
いずれのサスペンションも、停車中に車高を55~77mm上げて乗員が乗り降りしやすいようにすることができる。
基本ハードウェアはポルシェと共通だが、アウディのエンジニアによると、快適性を重視したチューニングによって差別化され、GTらしさが強調されているという。
画像 パワフルかつ快適な電動4ドア・グランドツアラー【改良新型アウディeトロンGTの各モデルを写真でじっくり見る】 全34枚