フィアット600 詳細データテスト 500より増した実用性と快適性 フィアットらしい元気さは不在
公開 : 2024.06.22 20:25
フィアット500のスケールアップ版といった風貌の新生600は、快適志向のBセグメントクロスオーバーハッチとして合格点の仕上がり。しかし、フィアットらしい走りの元気さに期待すると、肩透かしを食らうかもしれません。
もくじ
ーはじめに
ー意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆
ー内装 ★★★★★★☆☆☆☆
ー走り ★★★★★★★☆☆☆
ー使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆
ー操舵/安定性 ★★★★★★☆☆☆☆
ー快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆
ー購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆
ースペック
ー結論 ★★★★★★★☆☆☆
はじめに
今回のテスト物件、見かけで判断するのとは別物だといえる。パッと見、この新型フィアット600は、これまでの500Xに代わるモデルのようだが、そうはいえないのだ。
既存クロスオーバーモデルの500Xは、この先少なくとも数年は生産が継続する見込み。それよりもわずかに小さくて車高も低いハッチバックの600は、500の4ドア版的な位置付けとなる。ちょうど、1950年代の元祖600がそうだったように。2018年にプントを引き上げた、欧州の伝統的なBセグメントへ復帰を果たしたというわけだ。
とはいえフィアットは、500での成功を可能な限り多くのマーケットにコピペする使い古された商品戦略を長らく使い、また既存500オーナーに乗り換えを推進するべく、目新しく興味を引く理由を提供し続けてきた。600でも、500eのオーナーは重要なターゲットだ。
そのため、48VマイルドハイブリッドだけでなくEVも用意した現代版600。プラットフォームはステランティスのe−CMP2で、しかしシャシーやバッテリー、モーターを共用する他車より価格を抑え、フィアットらしいお買い得感を打ち出している。
こうして、1970年以降はじめて、500と600が同時にラインナップされたのだが、今回は安価なガソリンMHEVの準備が間に合わず、いきなりEV仕様の600eがロードテストの俎上に載せられることとなった。