フィアット600 詳細データテスト 500より増した実用性と快適性 フィアットらしい元気さは不在

公開 : 2024.06.22 20:25

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

航続距離や効率、急速充電性能は、玉石混淆といったところ。現実的な状況でのテストでは、平均電費が5.5km/kWhだが、バッテリーの実用容量は50kWhをちょっと超えるだけなので、280km弱しか走れない。高速道路の速度域で、MG4やクプラボーンのように320km走り切るのは無理な話だ。

低めの巡航速度を維持すれば、WLTP値の406kmに近づくかもしれないが、平均72kWの直流充電性能では、あまり遠出をしたい気持ちになれない。これまでテストした競合車は、最大30%くらい、600eよりいい結果を残している。

フィアットの最近のディスカウント戦略は、残価予想に悪影響を及ぼしている。
フィアットの最近のディスカウント戦略は、残価予想に悪影響を及ぼしている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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