【今さら聞けない】フィアットの屋台骨「パンダ」 45年の歴史をおさらい、4代目はどんな「ファミリー」に?

公開 : 2024.06.20 17:45

3代目もロングセラーに、そしてグランデ・パンダへ

2011年に発表された3世代目にあたるパンダが、初代よりも2代目のコンセプトを受け継いでいることは誰の目にも明らかだろう。

そんな中にも、車内外に角を丸めた「四角」のモチーフがちりばめられ、節々から初代へのリスペクトを感じ取ることができる。

3代目もロングセラーに、そしてグランデ・パンダへ
3代目もロングセラーに、そしてグランデ・パンダへ    AUTOCAR

当初、日本に導入されたのは0.9L直列2気筒ターボのツインエア・エンジン。まるで先祖返りしたかのようだが、最新のダウンサイジングユニットの85ps/5500rpm、14.8kg-m/1900rpmのアウトプットには十分に余裕がある。

ヨーロッパ仕様では脈々と受け継がれてきた1.2L直列4気筒のファイア・エンジンや、1.3Lのマルチジェット・ターボ・ディーゼルエンジンの用意もある。

モデル末期となった2020年には、1.0Lの3気筒エンジンに12Vモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドも追加され、これはフィアット初の電動化モデルだった。

パンダに代々ラインナップされてきた4×4は、もちろん3代目にも設定される。50mm高い車高と、電子制御のマルチ・プレート・クラッチによるリア・ディファレンシャルを持つ4×4システムが与えられる。

3代目パンダ4×4の美点には、オフロードの高い走破性だけでなく、余分に与えられたサスペンション・トラベルにより向上した一般道での乗り心地も挙げられる。ツインエア・エンジンを搭載したパンダ4×4は日本にも導入され、街角でこの小さなタフガイの姿を見たことがある人もいるだろう。

日本仕様の2ペダル車の変速機は、2代目と同じくセミオートマティックのデュアロジックを採用。信頼性に欠ける面もあるが、世代ごとに高められた製造品質と相まって、新たなフィアットユーザーの開拓に貢献したことは言うまでもない。モデルライフに終止符を打ったのは、つい昨年のことだった。

4代目として公開されたパンダは「グランデ・パンダ」と名付けられ、全長3.7mあまりだった3代目からやや大型化した。さらに今後は、「パンダファミリー」と呼ばれる派生モデル登場の予定もあるという。

より角ばった印象を受けるグランデ・パンダのスタイリングと詳細については、下記関連記事からご覧いただきたい。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    香野早汰

    Hayata Kono

    1997年東京生まれ。母が仕事の往復で運転するクルマの助手席で幼少期のほとんどを過ごす。クルマ選びの決め手は速さや音よりも造形と乗り心地。それゆえ同世代の理解者に恵まれないのが悩み。2023年、クルマにまつわる仕事を探すも見つからず。思いもしない偶然が重なりAUTOCAR編集部に出会う。翌日に笹本編集長の面接。「明日から来なさい」「え!」。若さと積極性を武器に、日々勉強中。

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