V8ツインターボで800馬力、エアロも盛り盛り 公道走れる? フォード・マスタングGTD、欧州発売へ
公開 : 2024.06.21 06:05
F-22戦闘機のチタン素材を再利用
シャシーも特殊だ。フロントサスペンションは古典的な不等長型ダブルウィッシュボーンをさらに洗練させたデザインで、上部に三角形のウィッシュボーン、下部に2つのリンクを備えている。これにマルチマティック製アダプティブ・スプール・バルブ(ASV)ダンパーが組み合わされ、ソフトウェア制御により数ミリ秒単位でのダンピング調整を可能とする。
コイルオーバーには通常のシングルスプリングではなく、硬さの異なる2つのコイルスプリングが採用された。ステアリングはラック&ピニオン式で、V8エンジンの前面には頑丈なスタビライザーが走る。リアでは、8速DCTとリアサスペンションを鋼管フレームにマウントし、ASVによりフロントと連動させる。
トランスアクスルをリアに配置したこともあり、前後重量配分は50:50を実現。可変トラクションコントロール・システムも搭載される。車両重量は明らかにされていないが、カーボンファイバー製ボディパネルなどの軽量設計により、マスタング・ダークホース(1768kg)を下回る可能性が高い。
トレッド幅は標準よりも約100mm広く、フロントには325mm幅のタイヤを装着し、路面グリップを高めている。制動力を確保するため、フェードに強いというブレンボのカーボンセラミック製ブレーキディスクを採用し、エアダクトにより冷却性能も高めた。ホイールは20インチの鍛造アルミか、オプションでレーシングカーを模したマグネシウム合金も選択可能だ。
巨大な油圧調整式リアウイング、ボンネットのエアダクト、エアスクープ、フロントスプリッター、リアディフューザーなど数多くのエアロパーツによってダウンフォースと安定性の向上を図っている。
インテリアは標準車に近く、無線ソフトウェアアップデート機能付きのデジタルディスプレイなどを採用した。また、ダイヤル、ビルドプレート、パドルシフトはすべて、退役した米空軍のF-22戦闘機からチタン素材を再利用して3Dプリントしたものだという。