歴代で1番「ハードコア」 アウディRS4 アバント 25イヤーズへ試乗 選ぶならイエロー? 驚くほどの洗練度

公開 : 2024.07.04 19:05

落ち着いた操縦性は現代のアウディ

操縦性は、いかにも高速な現代のアウディ。フロントタイヤのネガティブキャンバーが強められたことで、回頭性はかなり鋭い。

とはいえ、基本的には極めて落ち着いた印象。試乗場所はスペインだったが、チャレンジングなワインディングより、開けた高速ルートの方が向いているように思えた。

アウディRS4 アバント・エディション25イヤーズ(欧州仕様)
アウディRS4 アバント・エディション25イヤーズ(欧州仕様)

ヘアピンの出口で、2速を選びアクセルペダルを踏み込んでも、僅かにアンダーステアを示すだけ。路面が乾燥している限り、強力なトラクションでひたすら加速していく。

カーブへの侵入時に回頭性を高める、スポーツ・ディファレンシャルが組まれている。だがこれは、一定の速度域以上で効果を発揮するようだ。

8速オートマティックは、スポーツ・モードがより積極的になった。明確な変速ショックが、ドライバーの気持ちを刺激する。穏やかに走っているぶんには、ノーマル・モードの方が回転数へピタリと合い心地良いとしても。

ドラッグレースで競えば、M3 コンペティション・ツーリングの方が勝つかもしれない。それでも、RS4 25イヤーズの470psでもまったく不足は感じない。20ps増しによる変化は小さいが、オーナー同士の会話で、自慢のネタにはなるだろう。

エグゾーストも専用品で、より排気音を堪能できるようになった。特定の回転数では、メロディアスな響きも奏でられる。大半は、怒り狂ったような咆哮ではあるけれど。

高めの価格設定 アウディ・マニアを強く誘惑

英国価格は、11万5880ポンド(約2318万円)。通常のRS4より、約4万3000ポンド(約860万円)お高い。限定だったRS4 コンペティションと比べても、約3万1000ポンド(約620万円)も上にある。

BMWは、先代M5のモデル末期に、珠玉のM5 CSをリリースした。これは、語り継がれるようなドライバーズサルーンといえた。

アウディRS4 アバント・エディション25イヤーズと、初代アウディRS4 アバント
アウディRS4 アバント・エディション25イヤーズと、初代アウディRS4 アバント

対して、RS4 25イヤーズの運転体験が、そこまで進化していないことは事実。正直なところ、かなり強気な価格設定に思える。だとしても、限定の高速ワゴンには不思議な魅力がある。アウディ・マニアを、強く誘惑するに違いない。

アウディRS4 アバント・エディション25イヤーズ(欧州仕様)のスペック

英国価格:11万5880ポンド(約2318万円)
全長:4780mm(通常RS4)
全幅:1865mm(通常RS4)
全高:1435mm(通常RS4)
最高速度:299km/h
0-100km/h加速:3.7秒
燃費:9.9-10.4km/L
CO2排出量:217-229g/km
車両重量:1745kg
パワートレイン:V型6気筒2894cc ツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:470ps/5000-6000rpm
最大トルク:61.1kg-m/3000-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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