「モデルY」に似たSUVをより安く? シャオペンG6 ロングレンジへ試乗 航続569kmのイイクルマ

公開 : 2024.07.24 19:05

好印象な回生ブレーキ 充分に使える運転支援

今回試乗したのは、ロングレンジとパフォーマンスの2台だった。前者でも286psで加速力は充分以上で、後者は極めて鋭い。想像の範囲内とはいえるが。

筆者が好ましいと感じたのが、回生ブレーキ。アクセルオフで惰性走行するモードがあり、ブレーキペダルの感触が漸進的で扱いやすいと感じた。タッチモニターを介して、強く減速するようにもできるが、ワンペダルドライブには対応していない。

シャオペンG6 ロングレンジRWD(欧州仕様)
シャオペンG6 ロングレンジRWD(欧州仕様)

普段使いなら、アクセルペダルの反応が穏やかになるエコ・モードが丁度いい。スポーツ・モードを選択すると、ローンチコントロール機能も使えるようになる。

乗り心地はやや硬め。しかし、舗装のツギハギが多い市街地でも不快なほどではない。高速道路で100km/hまで加速したが、車内はとても静かだった。

グリップ力は高く、トラクションコントロールの介入は自然。ステアリングホイールはフィーリングが希薄で、反応も機敏とはいえず、運転を楽しめるわけではない。シングルモーターの方が軽快感は高く、小回りも利くようだ。

運転支援システムも、充分に使える印象。煩わしい場合は、簡単にオフにもできる。

電費は、ロングレンジでもパフォーマンスでも、平均で6.1km/hが試乗後に表示された。比較的平坦なオランダの公道を、大人しく走った場合の数字だ。実際の航続距離は、525km程度と考えられる。

モデルYへ似た見た目と同等の機能をお手頃に

シャオペンG6をヒトコトで表すなら、イイクルマ。際立つような強みがないともいえ、悪くない実力を理解してもらうのに、欧州のマーケティング部門は苦労するかもしれない。あるいは、それが特徴なのかもしれない。

乗り心地は充分に良く、アクセルペダルも扱いやすく、アダプティブ・クルーズコントロールも問題なく機能した。モデルYに似た見た目と同等の機能を、よりお手頃な価格で実現したといっていい。単純に評価すれば、充分に褒められるだろう。

シャオペンG6 ロングレンジRWD(欧州仕様)
シャオペンG6 ロングレンジRWD(欧州仕様)

これをキャッチコピー化するのは、難題かもしれないけれど。

◯:長めの航続距離と速い充電能力 お買い得な価格 扱いやすい駆動用モーター
△:匿名性の高いスタイリング 硬めの乗り心地でもスポーティではない

シャオペンG6 ロングレンジRWD(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万3000ポンド(約860万円/予想)
全長:4753mm
全幅:1820mm
全高:1650mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:6.7秒
航続距離:569km
電費:5.7km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2025kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
バッテリー:87.5kWh
急速充電能力:280kW
最高出力:286ps
最大トルク:44.8kg-m
ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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