クルマの「怒り顔」 20選 意外と好印象? 不機嫌そうに見えるデザイン

公開 : 2024.06.30 18:05

クルマでは「怒っている」ように見えるデザインが多い。厳しい使用環境に耐えているようにも、また他車を威嚇しているようにも見える。今回は古今東西、特に印象的なモデルを20台紹介したい。

怒った顔のクルマ 近づきがたい?

最近よく言われることの1つに、クルマがかつてないほど「怒っている」ように見えるというものがある。確かにそうかもしれないが、一部の例外を除けば、大抵のクルマは友好的な顔をしているわけではない。

クルマの使用環境は過酷なものだ。怒り顔のクルマは、厳しい天候に耐えながら何年も、何万kmも走り続けられるように我慢強く見える。また、周囲の怒りっぽいドライバーから乗員の安全を守ってくれそうにも見える。不機嫌そうな表情を浮かべるクルマは、意外にもわたし達を安心させてくれる。

筆者(英国人)のお気に入りの「怒り顔」を紹介する。
筆者(英国人)のお気に入りの「怒り顔」を紹介する。

人間の脳は無生物に対しても「顔」を認識するようにプログラムされている。ライトやグリルの形状、あるいはボンネットのラインの角度などから、クルマが怒っているのか、笑っているのかを認識するのにそれほど時間はかからない。

今回は怒っているように見えるクルマの中から、個人的に特に優れていると考える20台を紹介したい。一部は現在も販売されているが、多くは何年も前に生産終了したものだ。あなたのお気に入りのデザインはこの中にあるだろうか。

原文:アイサル・ガッサン

トヨタGRヤリス

自動車メーカーが世界ラリー選手権(WRC)にエントリーするためには、公道向けの市販バージョンを作らなければならない。これが、3ドアのGRヤリスが存在する理由である。エンジンはトヨタ・ガズー・レーシングのラリーチームが設計し、そのハンドリングは4度のWRCチャンピオンに輝いたトミ・マキネン選手の協力を得て開発された。

標準のヤリスよりも幅が広く、車高も低い。また、たくましくせり出したフェンダー、鋭角的なライト、フルワイドのグリルにより、標準車よりもはるかに獰猛に見える。

トヨタGRヤリス
トヨタGRヤリス

三菱デリカ・ミニ

軽自動車は今や、日本における新車販売台数の約3分の1を占めるほどの人気ぶりだ。黄色いナンバープレートをつけた軽自動車は日本独自の文化(規格)であり、海外のファンも多くいる。

小さいとはいえ、決して個性に欠けるものではない。三菱デリカ・ミニのエッジの効いたラインと無骨な雰囲気、ニヒルな表情が見事なまでにまとまっている。このデイタイム・ランニング・ライトが一体何を見て、何を考えているのか、想像を膨らませてしまう。

三菱デリカ・ミニ
三菱デリカ・ミニ

スズキアルト・ターボRS

スズキは1979年からアルトを生産しているが、第8世代(2014年~2021年)のフェンダー造形と角度のついたリアピラーからはスズキの “本気度” がひしひしと伝わってくる。中でも、一番目を引くのはヘッドライトだ。

つり上がったヘッドライトがフロントフェイスの大きな面積を占め、特にアルト・ターボRSに厳しい表情を与えている。しかし、その後アンガーマネジメントの社内研修でも受けたのか、最新モデルでは(ライトを含む)特徴の多くが柔らかい印象となった。

スズキ・アルト・ターボRS
スズキ・アルト・ターボRS

記事に関わった人々

  • AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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