クルマの「怒り顔」 20選 意外と好印象? 不機嫌そうに見えるデザイン

公開 : 2024.06.30 18:05

BMW 1500

1950年代、BMWのデザインは流行遅れになり、危機的な状況を脱するために先進的なデザインが必要とされた。それが「ノイエ・クラッセ」(英語ではニュー・クラス)という形で登場した1500である。

その伸びやかなボディラインは、印象的なフロントエンドと同様にBMWのトレードマークとなった。ボンネットは前方に突き出し、スピード感を演出している。ここにサメのようなデザインが誕生し、BMWは世界を席巻することになった。

BMW 1500
BMW 1500

BMW XMレーベル

標準のBMW XMでは物足りないと感じる人のために、XMレーベルが作られた。最高出力748ps、0-100km/h加速3.8秒という速さを誇る。鼻孔から火を噴きそうなデザインは、多くの視線を集めるだろう。

しかし、BMWの最近の2台のコンセプトカー(ビジョン・ノイエ・クラッセとビジョン・ノイエ・クラッセX)では攻撃性を抑えている。XMレーベルを見た多くの人がやり過ぎだと考え、BMWも注意を払ったのかもしれない。XMレーベルは、BMWの過激なデザインの終着駅となる可能性がある。

BMW XMレーベル
BMW XMレーベル

ローバーP6

1963年から1977年にかけて生産されたローバーP6は、新しい世代のビジネスパーソンをターゲットにした初期のクルマであり、第一回ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。

実にソリッドなボディを持つが、最大の特徴はボンネットの上に突き出た尖ったサイドライトだ。暗闇の中でも車幅を認識しやすいよう、このような配置となった。実用的で賢いアイデアだが、どことなく角のように見える。英国ではパトカーとしても採用されていた。

ローバーP6
ローバーP6

ランボルギーニウラカンSTO

エンジンをボンネットの下からドライバーのすぐ後ろに移して以来、ランボルギーニは攻撃的なスポーツカーを作ることに特化してきた。そのウェッジシェイプには根源的な “何か” があり、まるでターマックと一体化しているように見える。

サーキット走行に特化したウラカンSTOは、「牡牛」と「盾」のロゴをつけたスーパーカーの中で最も攻撃的な外観に違いない。グリルのアウトラインはとてもシャープで、デイタイム・ランニング・ライトは網膜に刻み込まれる。フロントエンドには、純粋な怒りが表れている。

ランボルギーニ・ウラカンSTO
ランボルギーニ・ウラカンSTO

フェラーリラ フェラーリ

フェラーリは必ずと言っていいほど驚異的なパフォーマンスを発揮してきたが、その歴史の大半において、特別に怒りに満ちた姿は見せてこなかった。その流れは2009年のフェラーリ458イタリアで一変し、フェンダーの奥まで伸びる細いライトが、フロントエンドに恐ろしい凝視感を与えるようになった。458イタリアのこのようなデザインは、FFやGTC4ルッソにも採用された。

この世代で最も華やかだったのは、2013年に登場したミドエンジンのラ フェラーリだ。バタフライドアを開き、6.3L V12が吠えれば、怒れる伝説のドラゴンのように見える。

フェラーリ・ラ フェラーリ
フェラーリ・ラ フェラーリ

記事に関わった人々

  • AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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