【欧州でプロトタイプ目撃】レクサスが市販めざし開発中か 「GR GT3コンセプト」はどんなクルマ?

公開 : 2024.06.25 06:35

・ベルギーでプロトタイプが走行
・2022年のオートサロンで初お目見え
・当時その場にいた筆者から詳細レポート

2022年の東京オートサロンでワールドプレミア

AUTOCAR JAPANでは、かつてトヨタ GAZOOレーシング(以下、TGR)が公開した「GR GT3コンセプト(GR GT3 Concept)」の市販化に向けた開発が進められている、と報じた。

このGR GT3コンセプトが世界初公開されたのは、約2年前の東京オートサロン。その日会場で取材したGR GT3コンセプトのディテールから、開発が進められていると噂のロードバージョンの情報を整理してみたい。

2022年の東京オートサロンで公開されたトヨタGR GT3コンセプト
2022年の東京オートサロンで公開されたトヨタGR GT3コンセプト

東京オートサロン2022の当日。会場のトヨタ/TGRブースでは発表を前にヴェールを被ったGR GT3コンセプトが展示されているはず……と思ったら、アンヴェールはなく、すでに実車がそのまま展示されており、多くのメディアの注目を浴びていた。

ボディカラーは、当時からメルセデスAMGなどのハイパフォーマンスモデルで流行していた、マットなダークグレー。

ロングノーズ/ショートデッキのファストバック・スタイルで、GT3コンセプトと謳っているだけにフロントのバンパースポイラー、リアエンドの大型ウイング、そしてサイドステップといったエアロパーツが装着されているが、ボディそのものは流麗なクーペのスタイリングだ。しかも、いままでのトヨタ車やレクサス車とは一線を画したデザインのようだった。

車両のそばのボードには「GR GT3 Concept」という車名。「『モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり』の更なる推進」といったフレーズ。そして簡単なスペックが書かれていた。

そのボードに書かれていたスペックは、全長×全幅×全高=4590×2040×1140mm、ホイールベースは2725mmという外寸のみ。しかもウインドーは真っ黒で室内は見えない。

おそらく、この展示車両はモックアップ(実物大模型)で、インテリアは完成していないものと思われた。当然ながら(?)。パワートレインや駆動方式なども発表されていない。

そのスタイルから想像される限り、エンジンはフロントに搭載されるようだが。

「GT3」のホモロゲーションを取得するためには?

そして車名に「GT3」とあるように、カスタマースポーツの最高峰であるGT3レースへの参戦を目指すドライバーのために、TGRではこのクルマを開発中であるとした。

ホモロゲーションを取得するためには、年間200台以上のロード(市販車)バージョンを生産しなければならない。

トヨタGR GT3コンセプトのプロトタイプと思われるテスト車両
トヨタGR GT3コンセプトのプロトタイプと思われるテスト車両

この東京オートサロン2022以降、GR GT3コンセプトが一般公開されたり、続報が発表されることはなかった。

だが、2023年の夏ごろから、GR GT3のプロトタイプと思われる、カモフラージュが施されたテスト車両が日本国内のサーキットで走る光景が目撃されている。最近では、海外のサーキットでもカモフラージュされたGR GT3のプロトタイプ(と思われる車両)がテスト走行を行っているようだ。

つまり、デビュー時期は未定だが開発は進められているということだろう。

カモフラージュ車両のスクープ画像を見るかぎり、そのスタイリングはTASに展示された車両と大きくは変わっていないようだ。パワートレーンは、新開発のV8ツインターボエンジンではないかと噂されている。

GT3のレーシングカーとなれば、日本ではスーパーGTのGT300クラスやスーパー耐久といったレースに参戦できる。海外メーカーのGT3マシンと戦う、GR GT3の姿を楽しみにしているモータースポーツ ファンも多いのではないだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事