6速MTで745馬力 フェルナンド・アロンソ「傑作」と称賛 英アストン マーティンから限定モデル登場

公開 : 2024.06.27 06:05

アストン マーティンは新型の限定生産車「ヴァリアント」を公開した。F1ドライバーの要望に応えて開発されたモデルで、軽量化と空力性能を追求。サーキット走行に特化させたが、公道走行も可能。

F1ドライバーの要望で誕生

F1のエース、フェルナンド・アロンソ選手の要望に応えて開発されたという高性能スーパーカーが登場。V12ツインターボを搭載し、生産予定台数はわずか38台とされる。

英国の自動車メーカーであるアストン マーティンは、新型の限定モデル「ヴァリアント(Valiant)」を発表した。昨年公開のヴァラーをサーキット走行に特化させたもので、実車は7月に英国で開催予定のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで一般公開される。

アストン マーティン・ヴァリアント
アストン マーティン・ヴァリアント    アストン マーティン

ヴァリアントは最高出力745ps、最大トルク76.7kg-mの5.2L V12ツインターボを搭載する。トランスミッションは6速MT。公道走行が可能で、生産はアストン マーティンの特注車部門である「Q by Aston Martin」が行う。

アストン マーティンによると、ヴァリアントは同社F1チームで活躍するドライバー、フェルナンド・アロンソ氏からの「個人的な依頼」によって誕生したという。

アロンソ氏は、ヴァラーを「さらに過激」にした派生モデルを望んでいた。そこでアストン マーティンは軽量化と出力向上、ダウンフォースの強化にフォーカスを当てた。V12エンジンのトルクはヴァラーと同じだが、出力は30psアップしている。

軽量化と空力性能を追求

アストン マーティンのグローバル・ブランド責任者であるマルコ・マティアッチ氏は、「徹底的な軽量化」が施されていると話す。3Dプリントのリアサブフレームを採用し、剛性を落とすことなく3kgの軽量化を実現。さらに、マグネシウム製トルクチューブによって車体中央部から8.6kgの質量を取り除いた。

また、バッテリーを軽量リチウムイオンバッテリーとして11.5kg削減し、21インチの軽量マグネシウムホイール(フロント275/35、リア325/30のタイヤを装着)によりバネ下質量を14kg削減するなど、ヴァラーと比較して合計約100kgの軽量化に成功したという。

アストン マーティン・ヴァリアント
アストン マーティン・ヴァリアント    アストン マーティン

ボディの大部分はカーボンファイバー製で、スタイリング変更により空気抵抗を減らしながらダウンフォースを追加している。フロントスプリッターにはF1風の多層エンドプレートを備え、前輪を通過する空気の流れをスムーズにする。

カーボンファイバー製グリルはエンジンへの空気の流れを増やすと言われている。ホイールには乱流を抑えるエアロディスクが装着され、6か所の吸気口がカーボンセラミックブレーキに冷却風を送り込む。

リアは、大型の固定式ウィングを頂点に、デッキリッドを持ち上げたカムテールデザインを採用。その下部には、数値流体力学を用いて研ぎ澄まされたリアディフューザーが備わり、4本のチタン製マフラーが装着される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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