フォルクスワーゲンらしい「バランス」の高さが◎ ID.7 ベスト・サルーン賞 AUTOCARアワード2024

公開 : 2024.07.13 19:06  更新 : 2024.09.04 11:19

今年前半までを振り返り、各カテゴリーでのベスト・モデルを称えるAUTOCARアワード スーパーカーからコンパクトハッチまで、2024年に受賞した栄えある8台をご紹介

フォルクスワーゲンらしさを感じ取れる

2024年のベスト・ハイブリッド賞はBMW 5シリーズに与えられたが、サルーンとしてのベストは、フォルクスワーゲンID.7。他社に先行してバッテリーEVを投入した同社は、販売に苦労する中で、実用性の高くバランスに長けた上級サルーンを完成させた。

ID.7は、落ち着いた雰囲気の4ドアファストバックで、新しいモデルとしては珍しくフロントマスクのデザインも大人しい。スタイリングは控えめで、上品と表現しても大げさではないだろう。

フォルクスワーゲンID.7(英国仕様)
フォルクスワーゲンID.7(英国仕様)

動力性能も控えめといえ、特に速いわけではない。航続距離や急速充電能力も、クラスの新基準を打ち立てたほどではない。むしろ、スペック的には目立つ部分がないといえる。かといって、過小評価すべきサルーンではない。

ID.7は、フォルクスワーゲン・ブランドが伝統的に築き上げてきた強みを、しっかり宿している。ここ数年で1番といっていいほど。指摘するほどの弱点はなく、運転すれば信頼感を抱ける。ドライバーへ対する要求は小さく、乗り心地や操縦性は優秀だ。

お手頃で実用的 想像以上に運転も楽しめる

直感的に操れ、どんな自動車移動も安楽にこなせるだろう。人影のない公道で少しスピードを出してみれば、後輪駆動らしい落ち着いたバランスと反応で、想像以上に運転を楽しめることにも気づける。

しかも、英国価格は5万1000ポンド(約1020万円)からと、現実的な範囲にある。もし、BMW i5やメルセデス・ベンツEQEに興味はあるけれど、価格が高すぎるとお感じなら。人工サウンドは悪くないけれど、もう少し実用性が欲しいとお考えなら。

フォルクスワーゲンID.7(英国仕様)
フォルクスワーゲンID.7(英国仕様)

ぜひ、フォルクスワーゲンのディーラーで、ID.7を試乗してみて欲しい。素晴らしさに共感できるはず。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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