ルノー・セニック 詳細データテスト 及第点の走り 長い航続距離 乗り心地や質感は今後の向上に期待
公開 : 2024.07.06 20:25 更新 : 2024.07.13 15:21
内装 ★★★★★★★☆☆☆
少し前ならなんとなくプラスティッキーでグレーがかっていたルノーのインテリアだが、最近はかなりがんばってよくなっている。このセニックも、上昇軌道の好例だ。手触りのいいマテリアルや明るい色合いのパーツに加え、アイコニック仕様はパノラミックルーフを装備することもあり、いい感じに明るくあたたかい雰囲気となっている。
このルーフ、ルノーによれば量販車初だという、全面もしくは部分的に透明度を変えることができるポリマー分散液晶を採用。Googleアシスタントを介して、音声操作も可能だ。また、機械式ブラインドに比べ、ヘッドルームが30mm程度余計に確保できている。
うまくできた収納や快適装備も多い。とはいえ、エルゴノミクス面で奇妙なところも多少ある。コクピットそのものはうまく設計されていて、角ばったステアリングホイールや、ドライバーに見やすい角度がついた大画面の縦型センターディスプレイには高級感もある。
重要な機能には実体操作系が用意される。さらにセンターコンソールは、携帯電話の充電トレーを高い位置にフローティング配置することで、大きな収納スペースを稼いでおり、キャビンの使い勝手はかなり高い。
それだけに、デジタルルームミラーが大きくて、斜め前方の視界を削っているのが残念だ。そのせいで、シートの高さがちょうどいい位置に調整できないのも惜しい。Aピラーも驚くほど太く、三角窓は塞がれている。その結果、キャビンは広がりのあるラウンジのように感じられるが、市街地での運転を特別楽にしてくれることはない。
乗員スペースと荷室は、クラストップではないまでも、なかなかのものだ。後席はヘッドルームがMPV的で、レッグルームはヒョンデ・アイオニック5ほどではないまでもすばらしい。545Lという積載容量は、4.5m級のクルマとしては大きく、フロア下にはケーブルを収納できるストレージもある。
しかしながら、開口部の段差は大きく、後席を倒した際には段差もある。また、かつてのセニックの売りだった、後席の独立アジャストは、オプションでも用意されていない。