戦後革命を起こした1949年の名車 22選 欧米の「未来」を描いたクルマたち

公開 : 2024.07.14 18:05

ブリストル401

ブリストルは航空機メーカーらしく、厳しい基準で401を開発・生産した。風洞実験によりボディ形状を改良し、当時最も空力特性に優れたクルマの1つであった。

2.0LのBMW製直列6気筒エンジンの出力は85psに過ぎなかったが、ブリストル401では最高速度97マイル(156km/h)を記録した。

ブリストル401
ブリストル401

生産台数は611台に達し、ブリストルの中でもかなり多い部類に入る。また、アルミ製ボディと厳格な品質管理により非常に高い生存率を誇り、現在ではクラシックカーとして珍重されている。

バックラーMkV

デレク・バックラー氏は英国における「キットカー」文化の起点に立つ人物で、バックラーMkVは自作キットまたは完成車の両スタイルで販売された。

購入者が自宅でキットを組み立てれば税金を免れるし、自分で作るのが面倒であれば工場出荷の完成車も手に入れられる。いずれも1172ccのフォード製エンジンで軽快なパフォーマンスを発揮する。

バックラーMkV
バックラーMkV

「MkV」という車名から同社5番目のモデルかと思われるかもしれないが、実際には同社初のモデルである。創業者のバックラー氏は、購入者に実績のない企業と思われたくなかったため、あえてこのような名前を付けたのだ。

バックラー氏はMkV向けのチューニングキットも販売し、モータースポーツに挑戦するドライバーを支えた。

ダッジ・コロネット

長命な「コロネット」の名は、1949年に導入されたダッジの新しいボディスタイルから始まった。

低く張り出した曲線的なボディ形状など、戦前期のスタイリングから大きく前進した。この外観が消費者に喜ばれ、セダン、ステーションワゴン、クーペ、さらにはリムジン版も登場して商業的な成功を収めた。

ダッジ・コロネット
ダッジ・コロネット

エンジンにはV8ではなく230立方インチ(3.8L)の直6を搭載し、最高出力103ps、最高速度145km/hを達成する。足踏み式セレクターの3速ATも用意された。

フェラーリ166インテル

1949年まで、フェラーリはレーシングカーしか生産していなかった。同社初のロードカーは166インテルであり、これを機にまったく新しい未来が切り開かれた。

イタリア人技術者のジョアッキーノ・コロンボ氏が設計した2.0L V12は、当時の他車と比べると非常にエキゾチックなエンジンだった。

フェラーリ166インテル
フェラーリ166インテル

ボディは複数のコーチビルダーが製作した。その大半はミラノのトゥーリング社によるものだが、他社も洗練されたものからちょっとダサいものまで、さまざまな形を提案した。

ほとんどがクーペで、フェラーリ初の量産モデルとしてクラシックカーの世界でも人気が高い。

記事に関わった人々

  • AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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